クソチャイナ娘の姉貴は俺の標的【沖田総悟】

Battle_143 ページ12

＊銀時side＊






『てめェの親父さんよォ…

松陽先生の弟子だったんだな。



そんで攘夷戦争のとき、

天人に殺された』







そのとき、確かに開かれた２つの目。



図星ってわけね。








「なんで知ってる？！



よもやお前も攘夷志士なのか？！



ならば何故俺の邪魔をする？！」







攘夷志士ならば天人を憎み殲滅させようと思うのは至極当然だろう、と越前屋は吐き捨てる。



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そこには…普段の評判のいい越前屋の柔和な印象もクソもない。





ただの復讐心に駆られた鬼だ。




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越前屋を突いていた刀を下ろす。








「思わねェ。





思わねェよそんなもんもう。



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先の戦争のときは…みんなみんな、必死だった。





俺も、俺の幼なじみも、お前の親父も。






先生を助け出してェ一心で。




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たくさん刀を振るった。




たくさんの戦場を仲間と駆け抜けた。




たくさんの天人を、無我夢中で斬ってきた。




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______たくさんの仲間を、大切なものを失った」









瞼を閉じれば、今でも鮮明に映るあの景色。






たくさんの天人の死体と、

たくさんの仲間の亡骸がごちゃ混ぜで。





あの景色を見たとき、俺たちは得たものなどほとんどなくて、失ったもののほうがずっと多いことに気づかされた。




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あのときの______吐きそうな、内臓が体の内側からごぽりと出てきそうな、どうとも形容しづらい気持ちは一生忘れられることなんざできねェだろう。




失った痛みとともに。






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「俺ァ、何かを失うのがあれ以来怖くなっちまってね。





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あんなどんな傷の痛みよりもずっと深いところをえぐってくる痛みは、もう2度とごめんなんだよ」

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