クソチャイナ娘の姉貴な彼女と俺の日々【番外編】

10 ページ10

＊沖田side＊





走って、走って。




「あのクソ女…！」





さっきから何度舌打ちしたか。


心の中じゃもっと舌打ちしてる。




.









.



頭を占めるのはAへの怒り、苛立ち。









・・・違う。





.






.





自分自身への怒り、苛立ちだ。




不用意に、感情に任せて酷い言葉を投げつけた。



結果、取り返しのつかないことが引き起こされようとしている。




「…浮気してやる、だァ？

…ざけんな」


.





.


俺ァ、そんなヌルい愛し方をしたつもりはねェ。



俺が一生を賭して一緒にいたい、と乞い願う女は、金輪際アイツただ1人なんだ。



.







.



アテもなく走って。


でも、思ってるよりもこの街はずっと広い。




行きそうなところを手当たり次第に回ったが、さっぱり見当たらなかった。





.



「…っはぁ、」




幾ら戦闘職とはいえ体力にも限界はある。

ひとまず足を止め呼吸を整えた。



.







.






___そのとき。





「あっ！こんなところにいたのね！」






ちょっとツラ貸しなさいよぉおおお！！！と一目散に俺のところへ走ってくる、見知った女。




.







.



「旦那のストーカー忍者じゃねェか」




でも、こいつが俺に何の用でィ？



頭を掠めた疑問は、続くコイツの言葉で吹っ飛んだ。




.









.




「銀さんとあんたの女が一緒にラブホ街のほうに行くのを見かけたのよ！！」






.

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す