Battle_451 ページ10
「桃の花は、綺麗だね」
おもむろに放たれた言葉に一瞬詰まって「、うん」と答えた。
「俺たちが喧嘩師として宇宙の星々を転々としてた頃も、気づけばあの星の桃の木のもとに帰ってきてたね」
「…うん」
ここからずっとずっと遠いところに、地球と似たような星があった。
似たような気候で、でも地球よりも自然が多いどころか、自然しかない無人の星。
その星はもともと地球と似たような進化の過程を歩み、かなり知能の高い生物がいたけど、高すぎた知能は彼ら自身を壊した。
行き過ぎた科学の発達により、彼らは自然を破壊し尽くし、彼ら自身も種族内の戦争や飢饉、異常災害により滅びた。
荒涼とした、草木一本生えない荒地と化したこの星は、何万年、何億年もの時間をかけてもとの緑豊かな星に戻ったらしい。
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その星に、桃の木が1本あった。
たった1本。そこ以外はその星中のどこを探しても見当たらないという。
偶然その星に通りかかったあたしと神威は、その桃の木を寝ぐらにしていた。
別に2人で口に出して約束した訳でもない。
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他の星でたくさんの血を浴びて、浴びて______
気づけば、いつもふらりとその桃の木へ帰ってきてしまっていたんだ。
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どうしていつもいつもこの桃の木なのか、当時は分からなかった。
______でも、今なら分かる。
とても、とても綺麗で。
血を少し薄めたような濃桃色に、身も心も血みどろなあたしも、少しは浄化されるんじゃないか、なんて。
そんな筈ないのに。
あたしは桃色すらも真っ赤に染めてしまうような真紅なのに、淡い期待を抱かずにはいられなかったから。
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本当に、本当に、美しくて。
言葉で言い表せないくらいに。
青空の下、見渡す限り広がる草原にある小高い丘の頂上。
たった1本、孤独ながら凛とそびえ立つその木。
それは、あたしとは余りにも違いすぎて。
憧れを抱く反面、美しすぎて怖かった。
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「あたしの、1番好きな、大切な場所。
でも少し怖くて、苦手な場所」
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お久しぶりです…!すみません!!
センター試験が近づいてて…( ˙_˙ )
あたしが浮上できてない間にお気に入り登録してくださってる読者様むちゃ増えてるし、たくさんのコメントもいただいてほんと嬉しいです(((∈( *`ω´) ∋))) 遅ればせながらぽちぽちお返事させていただきますね(^^)
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ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます!今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた(//>∀<//) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
〇 - カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ! (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ!お疲れ様でした! (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひより | 作成日時:2015年11月28日 15時