Battle_447 ページ6
「じゃ、いってきまーす」
屯所の玄関で靴を履き、とんとん、と爪先を蹴る。
「……今日はまだ寒いな」
身体を攫う冷たい風に身を竦めた。
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あれから3ヶ月ほど。
沖田も回復してたからあたしと一緒に退院して、それからは多かれ少なかれ事件は起きてるけど、まぁ平和に暮らしてる。
寒い冬はピークを越えて、薄っすらと春の気配が押し寄せてきてる今日この頃。
街ゆく人も厚手のコートでは無くなったものの、まだ寒そうに身を縮めて歩いている。
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そんな中で、あたしは今日の晩ご飯に必要なものの買い出しに向かってる。
右手には番傘。
左手には買うべきものが書かれたメモ。
スーパーへ向かうために河原の上の土手を寒さに任せて足早に歩いていた。
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すると、河原に並ぶ淡いピンク色の木々。
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……これ、は。
ズザザッ、と河原に降りて木々に駆け寄る。
「桃の、花」
桃の季節がもう来たのか。
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「知ってる?
桃の花にはね、魔除けの効果があるんだって」
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突如、背後から聞こえた声に、びくりと弾かれる身体。
でも、それは聞き覚えがよくある声。
「______神威」
「久しぶり。元気してた?」
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『また、桃の花が咲く頃にネ』
去り際、遺していった言葉が脳裏に蘇った。
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ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます!今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた(//>∀<//) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
〇 - カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ! (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ!お疲れ様でした! (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひより | 作成日時:2015年11月28日 15時