Battle_440 ページ33
目を閉じたままの君を見つめる。
沖田総悟。
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「おきた、そうご」
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名前を呼ぶだけでキュッと胸が締まるあたしは、そろそろ末期なのかもしれない。
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両想いになる前に持て余してたあたしの“好き”て気持ちは、結ばれれば満たされるモノだと思ってた。
でも、そんなの間違い。
「止まんないの…」
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縋るように掴んでた手を強く握った、
「好きが、止まらないの」
溢れて、溢れて。
蛇口が開きっぱなしの水道なんて程度じゃない。
滝のように。
大量の“好き”が急速に溜まっていく。
どんどん、どんどん、君無しじゃ生きられないあたしになってしまっていってるの。
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「……たすけて」
もうダメ。
沖田の声を聞かなさすぎて、沖田に触れてもらわなさすぎてしんじゃう。
「起きてよ。触れてよ」
あのとき口にした「ありがとう」も、沖田は意識ぶっ飛ばしてたから、結局まだ伝えられてないんだよ。
シーツに顔を押し当てて涙を堪えた。
どんだけ泣いてんだ。
自嘲気味に笑っても、「…ふっ」と嗚咽が漏れるだけ。
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「助けてやろうか」
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声とともに、伏せた頭に乗った手。
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「…泣くなよ。
ドSとしては嬉しいが………Aの涙は辛ェわ」
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「…っ」
一瞬、息が止まった。
全く整理がつかない頭に見切りを付けて、
まさかと思いながら顔を上げる。
目の前には。
「ブッサイクな顔。
びしょびしょじゃねェか」
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「安心しな。
俺も毎日毎日てめェに惚れ直してらァ」
心臓いくつあっても足りねェや、と言って
困ったようで、でも嬉しそうな、沖田の笑顔。
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「〜〜〜っもうバカ!!」
引っ込んだはずの涙がさらに溢れて、我慢できなくて沖田に抱きついた。
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銀魂☆☆☆☆☆ - すごいキュンキュンします〜〜〜!!!!! 空知先生とひよりさんが神様にみえます。この作品大大大大大好きです!! (2016年3月11日 16時) (レス) id: 4ecdf1b2ff (このIDを非表示/違反報告)
総悟大好き! - 次の章まで行ってください!喜んで読みます!! (2015年11月29日 16時) (レス) id: eae230a3f8 (このIDを非表示/違反報告)
aya - 次の章行くんですか!?めっちゃ楽しみだし、うれしいです!がんばってください! (2015年11月28日 11時) (レス) id: 5abee972a9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 1番初めの章から読まさせていただきました!もうキュンキュンが止まりません!(*pωq*)ずーっと読んでたいです(*pωq*)次の章も絶対絶対絶対読みます!(*゚v゚*)頑張ってください応援してます(*゚v゚*) (2015年11月28日 0時) (レス) id: 268b1d3fe1 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 次の章いくんですか!?嬉しいです!!!この小説が私の毎日の楽しみなので!!応援しています!! (2015年11月28日 0時) (レス) id: fafd5c8065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひより | 作成日時:2015年9月7日 23時