クソチャイナ娘の姉貴は俺のモン。【沖田総悟】

Battle_432 ページ25

いつの間にか解放されてた阿伏兎が、カイを立ち上がらせる。



「じゃ、俺たちはそろそろお暇するよ」


お前も早く帰りな、と言われて、「かむ…っ」と咄嗟に身体が動いた。


…返事、しなきゃ。

告白の。



.




でも、いざ目の前にしたら、どう伝えたらいいのかわからなくて。


中途半端に引き止めてしまった。


神威がこちらに向き直る。



「ん？」

「…え、や、その…」



目を泳がせていたら、18年の付き合いの相棒はあたしが何を言わんとしてるのか悟ってくれたらしく、優しく微笑んで


「こんな事件の直後に、そんな話したくないよ」


くしゃり、と頭を撫でられる。




「またお前に会いに行くよ。

だから、その時にネ」



楽しみにしてるヨ、なんて戯けた風に言われて。



(……神威の意地悪)



わざと期待してるようなこと言ってくるとか。




.




「…神楽にもそうやって笑いかけてあげればいいのに」


小声でせめてもの仕返しのように言えば。

少し困ったように神威が眉をひそめた。


「あり、お前が今それ言っちゃう？」

「…ごめん」


あたしがどう返事するか神威はきっとわかってる。

だから、本当はあたしが意地悪できる立場じゃないんだ。


そのまま、互いに何も言えない空気が続く。



押し黙った空気に耐えきれなくなってきた頃、神威が口を開いた。




「ほら、俺たちがこんな感じになっちゃうから今日はパス。


じゃあね、A、沖田くん」


.







.

______また、桃の花が咲く頃にネ




.







それだけ言い残して、本当に帰ってしまった。

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