クソチャイナ娘の姉貴は最凶トリオに取り合われてます【沖田総悟】

Battle_409 ページ34

怖かった




晋助を刺そうとした自分の手が。





その手が例え晋助によって無理やり誘なわれたものだとしても、その刀を握ったのは紛れも無いあたし自身。


本気で抵抗すれば晋助の力なんてものともしないはずなのに、それすら叶わなかったあたしの脆い心。





晋助の力と思いの強さに怖気ずいた。





.







.






______でも。





『大丈夫』






そう言って、沖田はあたしを包んでくれたから。



本当に大丈夫な気がしてきたんだ。

沖田がいれば、どんなに大変なことでも何とかなる気がしたんだ。





.







これから先、いつまでも。






.






.




だから、






「帰ろ？みんなのもとに」




大切な真選組(かぞく)が待つ、あたし達の家に。







.



ニッと笑えば、

苦しさも何も全く滲ませずにニッと笑う沖田。








「そうだねィ。

俺の傷の手当てもしてもら_________っっ！！」






.









.





そのとき。




沖田越しに伝わる、ズン、とした感触。






______よく、知っている感触。







夜兎特有の、身を突かれる感触。





でもいつまで経っても痛みはあたしには訪れない。





.








代わりに______







「かは…っ」


「沖田？！」


血を吐きながらずるずると崩れ落ちてゆく沖田の身体。


必死にあたしも抱き留めながら崩れ落ちる。


.




何。



一体、何があったの。


.









沖田がいなくなることで広くなった視界に映ったのは、








.







.




「お久しぶり、ですね。


Aさん。




迎えに来ましたよ」



.








.





にこり、と見惚れてしまうような笑みを浮かべる、カイの姿。

続編です！→←Battle_408

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す