【返済完了】 ページ40
午後五時を少し過ぎた頃。
ウィリー・ウォンカは相棒ヌードルと一緒に、街外れの図書館へとやって来ていた。
彼女のママに会うためにだ。
ようやくヌードルの夢が叶う。立派な図書館を目の前にして躊躇う彼女の背中を、彼はそっと押してあげた。
一直線に母の元へ駆け出すヌードル。
今まで離れていた時間を埋め合うかのように、親子はお互いをぎゅっと抱きしめ合う。
その幸せ溢れる空間は、ウォンカの気持ちも穏やかにさせた。
これでようやく、彼女との約束も果たすことが叶った。
「善い行いは絶望的な現実に、光をも与える」
「……あぁ、良かったまた会えて」
「格好付けているところ悪いが、その頬では様にならんぞ」
ウォンカの足元から声が投げられ、目線を下げればウンパルンパが近付いて来る。
その頬……ウォンカは自分の顔を目視していないので、本人はどうなっているのか分からなかったが、左の頬にほんのりと赤い手形が残っていた。
「平手で済んだのは幸運だと思った方がいい。怒ったアリスは洒落にならんからな」
「そうなの？でもあとで落ち着いたらもう一度謝りに行くつもりだよ」
「それがいい。で、本題といこうかウォンカ。」
何故か身震いをさせたウンパルンパと、事情を知らず不思議そうに小首を傾げるウォンカ。
それから紳士は本題と言って、カカオ取り立ての為にウォンカを常に見張っている事を警告した。
「私はどこにも行かないからな。足りない分のチョコレートをきっちり返してもらうまで―――」
言葉の途中で、彼は口を閉ざす。その手には瓶いっぱいのウォンカ製チョコレート。
見上げれば、ウィリー・ウォンカがにっこりと微笑んで頷いた。
「……ありがとう」
「こちらこそ。助けてくれてありがとう」
困惑しながらも、大事そうに瓶を抱えるオレンジ色の紳士。
しかしこれで彼も故郷に帰れるというのに、あまり嬉しそうには見えない。
その理由を彼は溜息交じりに教えてくれた。
ルンパランドではカカオ豆の育ちが悪い事。
ウォンカには”ノッポさん”と呼ばれていると言ったが、本当は皆から見下ろされて”ちんちくりん”と呼ばれている事。
苦々しい面持ちの紳士が背を向けた時、ウォンカはその小さな背中を引き留めた。
そして足を止めてくれた彼に向って、新しく彼の中で生まれた夢を語りかける。
ピクリと紳士の眉が反応したのを見て、夕陽を受けたグリーンの瞳が淡く輝いた。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん、コメントありがとうございます！そしていつも最高のお言葉ありがとうございます！最後まで書けたのもかんなさんの応援コメントのお陰です♡フィクル推し増えた！やったー！番外編は気を長くお待ち頂けたらと思います(笑)ありがとうございました！ (3月4日 5時) (
レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 本当に最後までお疲れ様でした！こんな素敵な作品に生きてるうちに出会えて幸せです。夢小説でここまで心動かされて感動して毎日の更新が楽しみだった作品はありません！またアフターストーリーも楽しみに待ってます💕ちなみに私はこの小説でフィクル推になりました笑 (3月4日 1時) (レス) @page44 id: af16048ac0 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - えんさん» えんさん、コメントありがとうございます！一番最初にえんさんから頂いたコメントがパワーになっていました！❤️🔥最後までお付き合い頂きありがとうございました！🙏 (3月3日 21時) (レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
えん(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉🎉ほんとに大好きな作品です✨ (3月3日 21時) (レス) @page44 id: 284b114cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - むめさん» むめさん、コメントありがとうございます！ウォンカ夢自体めちゃくちゃ少なくて、私が……やらねば……！と思ってここまで来ちゃいました(笑)嬉しいお言葉ありがとうございます……！むめさんの命が助かって良かった……！私も救われます😭救護活動❤ (2月18日 11時) (レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年2月12日 21時
