【チョコ職人の仕込み】 ページ15
僕までスヤスヤしちゃダメじゃないか！！！！
ハッとして叫ぼうとして、アリスが眠っている事を思い出し止める。
パッと飛び起きようとして、アリスが腕の中に居る事を思い出し止める。
まずは彼女に回されていた手から力が完全に抜けている事を確認。
そしてゆっくりと、起こさない様に、温かい空間から抜け出した。
名残惜しい気持ちもあるが、潔く断ち切る。
ふと投げ出されたアリスの小指が眼に入り、ウォンカは自分の小指を絡めた。
「(この世で一番固い約束だ。アリス、君の笑顔と夢は僕が取り戻すよ)」
きゅっと小指に力を入れる。それから彼女の手を毛布の中に仕舞いながら、あることを思いだした。
彼女に握りしめられていたハンカチが無い。
すぐさま視線を足元にやる。横たわるシルクハットの横に、彼女のハンカチは落ちていた。
「(あれ……この香り)」
ハンカチを手に取れば、ふわりと香るチョコの香り。
自分も知っているチョコの香りだ。
不思議に思っていると、今度はポロポロとハンカチから何かの欠片が落ちて来る。
慎重に掌の上でハンカチを広げれば、桃色の欠片がふんわりとした香りと共に現れた。
「(これは……アリスの誕生日イブプレゼントの……)」
花弁の面影は残っていなかったが、間違いなかった。
ウォンカの脳裏にとある少女の言葉が過ぎる。
「この先チョコの無い日々が辛くなりそう」
アリスもそう思ったのかな？食べ切ってしまうのが惜しいと思ってくれた？
ハの字を緩め、安らかな表情に変わった彼女の顔を見詰めた。
大丈夫、これからももっと素晴らしいチョコを食べられるよ。
ウォンカは床に転がるシルクハットを拾い上げ、中から時計を取り出す。
「(よし、まだ朝の点呼には時間がある)」
コートを杖にかけて腕まくりをする。
アリスの机を借りて、机上にシルクハットとハンカチ、それともう一人の相棒を並べた。
長年の旅のお供、ポータブル工場。
船の爆発に巻き込まれても、冬の荒波に揉まれても、傷を少し増やしただけで中身はまるっと無事だった。
「(君がタフで助かるよ)」
鞄を開き、材料を指で弾く。
それからシルクハットからポットを取り出して、気付けに一杯、冷たい紅茶を呷った。
さて、それではまず何から手を付けようか。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん、コメントありがとうございます！そしていつも最高のお言葉ありがとうございます！最後まで書けたのもかんなさんの応援コメントのお陰です♡フィクル推し増えた！やったー！番外編は気を長くお待ち頂けたらと思います(笑)ありがとうございました！ (3月4日 5時) (
レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 本当に最後までお疲れ様でした！こんな素敵な作品に生きてるうちに出会えて幸せです。夢小説でここまで心動かされて感動して毎日の更新が楽しみだった作品はありません！またアフターストーリーも楽しみに待ってます💕ちなみに私はこの小説でフィクル推になりました笑 (3月4日 1時) (レス) @page44 id: af16048ac0 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - えんさん» えんさん、コメントありがとうございます！一番最初にえんさんから頂いたコメントがパワーになっていました！❤️🔥最後までお付き合い頂きありがとうございました！🙏 (3月3日 21時) (レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
えん(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉🎉ほんとに大好きな作品です✨ (3月3日 21時) (レス) @page44 id: 284b114cd7 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - むめさん» むめさん、コメントありがとうございます！ウォンカ夢自体めちゃくちゃ少なくて、私が……やらねば……！と思ってここまで来ちゃいました(笑)嬉しいお言葉ありがとうございます……！むめさんの命が助かって良かった……！私も救われます😭救護活動❤ (2月18日 11時) (レス) id: f0e451cd1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年2月12日 21時
