【チョコ職人兼クリーニング屋】 ページ26
「僕今、チョコ職人兼……クリーニング屋なんだ」
取り繕った笑みで彼は言う。
一瞬、何の話をされているのかアリスには分からなかった。
宿とクリーニング屋……ワンテンポ遅れてから、彼女の中に一つの答えが導き出される。
「クリーニング屋……？ってまさか……スクラビットさんのところ！？」
彼に宿を聞かれた時の事が脳裏に浮かぶ。
あの時、勇気を振り絞って叫んだ忠告。
「安すぎる宿に気を付けて」まさにスクラビット＆ブリーチャーの宿の事を指していたのだが……。
三度目の再開の前に、ヌードルが一緒に居た理由を特に気に留めていなかったが、今思えば腑に落ちる。
まさか、の顔をしたまま目を丸くするアリスに、ウォンカは「ごめんね」と両手を合わせた。
「君の忠告、ちゃんと理解出来てれば良かったんだけど……」
「い、いえ……宿の名前名指しすれば良かったですね……。
じゃあ、やっぱり……請求が……？」
「うん、1万ソブリン。あ、でも返す当てはあるから大丈夫だよ！心配しないで！」
彼女が自分に責任を感じてしまうのではないかと思ったのか、食い気味に彼は明るい声で付け足した。
現にアリスの眉がハの字になっている。あの時みたいに。
「それで、僕も君の忠告無視しちゃったし、今回はこれでチャラって事にしない？」
「え……？」
つまり「チョコレートアレルギーと嘘ついたこと」と「忠告を無視した事」で相殺しよう、と言っているのだろうか？
それは少々……不釣り合いではないか？
しかし考える前にウォンカから「交渉成立だね」と強引に握手をされる。
アリスの思考は遮られ、熟考することも出来ずにそこで留まってしまった。
「寧ろチョコレートアレルギーが嘘で助かったよ」
「ど、どうして？」
「やっぱり、僕の自慢の味はチョコレートだからね」
つまり君に最高のチョコレートを振る舞えちゃうってことでしょ？
「となるとリクエストは考え直しになっちゃうかな？」と、続ける彼の晴れやかさに、アリスの心が追い付かない。
どうしてそう簡単に楽観的になれるの。こっちは嘘ついてたんだよ？
借金があるなら返せばいいとか、チョコを食べてほしいからアレルギーが嘘で良かったとか。
割り切るとか諦めるとかそんな感じではなく、エネルギー溢れる前向きな姿勢を見せる彼。
初めて見る価値観の存在に、アリスは愕然としながら「御伽噺の登場人物みたい」と心の中で思った。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
