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「まぁそれでさ。
そーま…あいつって生鹿のクラスの副担任でもあるじゃん」
「そうだな」
そう考えたらかなり接点があるんだな。
せめて僕も書道部に入ればよかった…！
「そんなこと言ったら速水先生が悲しむぞ？」
「…俺がどうかしましたか」
「ひぇっ」
「どうも、速水先生」
速水樂。23歳。数学の担当教師。
生徒会担当の先生の中でも一番マシな先生。
生徒指導の中でもまだマシな方に位置している。
僕の所属するコンピューターグラフィックス部の顧問でもある。
「失礼。
廊下を通っていたら俺の名前が呼ばれた気がしたので」
「いや、跳野が書道部に入ればよかったって言ってたから」
「…？
それで何で俺の名前が出てくるんですか」
少し鈍いところもあるが、日常会話に支障はない。
何より、小太郎との接触点がない。
あと僕の趣味嗜好を否定しない。
それだけで僕は十分だ。
小太郎がいればそれで生きていけると思っていたけど、
やっぱり理解者はいたほうがいいと思う。
「いや、ただでさえ部員が少ないのにいなくなったら悲しむかなって」
「別に個人の考えで辞めてもいいと思っていますよ。
個人の考えを尊重して後押しするのが教師という仕事だと思っているので」
「そ、そっか」
他の教員とは違い、まっとうな考えも持っている。
やっぱり他の部活に入らなくてよかった。
「というか、部活に入るのは強制じゃないし
入らなくてもよかったんじゃないのか？」
「そうしたら部活に入ってる小太郎と一緒に帰れないだろ。
それよりも話が途中だ。早く続けてくれ」
「あぁそうだった。悪い悪い」
早くしないと朝会が始まる。
遅刻なんてしたくない。
「それで、そーまが生鹿の家に入ってるのを見て」
「隣の教室に行ってきます」
「遅刻するぞ！？」
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作者名：future*show | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月4日 17時
