闇金くん(9) ページ9
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「リアちゃん何か今日疲れてない?」
「大丈夫です」
「ボーイに上がれるよう聞いてあげようか?」
「いえ。今日は飲みたい気分なんで」
「そう。何かあったらすぐ言うんだよ」
昨夜あった事を引きずって殆ど寝てないまま出勤したらユナさんに心配された。優しい先輩に恵まれて良かった。
ユナさんに全部話した方がすっきりするかもしれない。
でも闇金に恋して勝手に失恋しちゃいました。なんて言えないよ。
鏡を見ると泣いたせいで目も腫れてる。クマも出来てる。それでもきつめにメイクを施せば少しはマシになった。
本当は休みたかったけど、何かしてる方が気持ちが紛れるから。
「リアちゃんドンペリ入れようか?」
「リアはピンクが好き」
「じゃあ二本追加しよう」
「〇〇さんありがとう、大好き」
「はは、全部飲めたらもう一本頼んであげるよ」
「言いましたね、よゆーです!」
普段ならうまく調節して潰れない飲み方をするけど今日はダメだった。
開けたシャンパンのボトルが数本転がってる。ヘルプに入ってくれた子も頑張ったけど、ほとんど私が飲み干したものだ。
客とは後日デートする約束をしてアフターせず店前で見送った。
ふらつきながらも気合いでタクシーをつかまえて家路につくと、駐車場に見覚えのある黒塗りのセダンが見えた。
まさか……。
運転席の彼と目が合ってすぐにセダンからて出てきたのは、やっぱり彼だった。
今、会いたくないんだけど。
昨日の今日で一体どんな顔して会えばいいのよ。
そんな私に御構い無しに目の前にくるテヒョン。
「なに」
「金持ってきた」
胸に茶色封筒が押し付けられた。
たぶん20万が入ってるんだろう。
いまさら貸す気になったの?
私に覚悟がないって昨日言い捨てて帰ったくせに。
だんだん腹が立ってきた。
「わざわざ来てもらって悪いけど、これもう要らなくなったから」
押し返した封筒は受け取ってもらえない。
それどころか無表情で見てくるテヒョンにますます苛立つ。
「ほかに貸してくれる人が見つかったの。だからもう大丈夫だよ」
さすがにこう言えばすぐ帰るでしょ。
そして二度と会うことはないんだ。
街中で偶然すれ違ったとしても次からは赤の他人だよ。
「じゃあ、
"またね"って言葉をのみこんで言った。
「バイバイ、テヒョン」
未練が残らないように最後に顔を見た。
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Kaede.0807(プロフ) - 更新楽しみに待ってますねっ! (2019年12月13日 18時) (レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - チョコさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*)テヒョン好きな方に読んでもらえて嬉しいです。無邪気なテテじゃなくて超塩なテテいかがですか?これからもよろしくお願いしますね(*^o^*) (2019年9月12日 22時) (レス) id: beb0d9315b (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - mozuku_2772さん» 応援ありがとうございます(*^o^*)闇金ウシジマくん好きな方に見てもらえたら嬉しいです♪♪またお立ち寄りくださいね(*^^*) (2019年9月11日 20時) (レス) id: d43a6e6af7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - テヒョン推しなのでこの作品好きすぎます!最高です!更新待ってます!頑張ってください! (2019年9月11日 17時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
mozuku_2772(プロフ) - ほんとに共感しかないです...(;;)更新頑張ってください(=^^=)応援してます〜! (2019年9月10日 21時) (レス) id: 8cb2522b7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さかな | 作成日時:2019年9月4日 17時