私の彼氏は闇金くん ( BTS )

闇金くん(8) ページ8

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「お金かしてくれない？」


回らない頭で考えて導き出した結論がこれ。

テヒョンは金貸し。私が客になれば連絡先交換は必須だし、利息回収の為に会わなければならないでしょ。

あいにく利息を払い続けるための貯蓄は充分にあるんだ。


「まとまったお金が必要でさ。テヒョンに借りたらちょうどいいかなって、20万くらい……」


言葉を繋げば繋ぐほどテヒョンの目が曇っていくのが分かった。冷たくて震えるほど真っ黒に。


「A、本気？」


黙ってこくりと頷いた。


「俺に借りた20万は10日後に40万で返すことになる。返済できない場合は2割の8万を利息でいただくけど、その仕組み分かって言ってる？」

「分かってるよ」

「担保になるものは？」

「担保？」

「親や友達の住所と名前」

「いやそこまでは……さすがに」


全部見透かされたような冷たい視線に言葉が出なくなる。

一体、私はどうしたいんだろう。


「別に身体が担保でも構わない。返済できなければ売って稼げばいい」

「う、売るって？」

「……そこそこ高く売れそうだよな」


髪に触れてきたテヒョンの手はなぞるように首元まできた。

こんな触れかた、いやだ。

黒い影を作りながらゆっくり近づいてくるテヒョンが怖くて、ぎゅっと目を瞑った。


「ん、」


冷たい唇が重なって、キスされたんだって分かる。

好きな人からされる行為は嬉しいはずなのに、私の胸は張り裂けそうだった。

崩れるようにしゃがみ込んだ時、はじめて自分が泣いてることに気付いた。


「覚悟がないのに簡単に言うな」


叩きつけるように言い放たれた後、ドアの閉まる音が聞こえた。

テヒョンの温もりが残ってるかもと唇に触れたけど、最初から温もりなんてなかったよ。

冷たくて痛いだけの恋だ。




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