ぼっち・ざ・えごいすと！【ブルーロック】

◇ ページ9

・


「え、すんなり入れないの？俺早くも消される感じ？」

誰か、誰か！俺のために段ボール持ってきて。隠れておくから。とか思ってたらモニターの画面が切り替わってオニが表示される。ん？

「お、俺ですか・・」

このままどうせ誰も当てることなんて出来なくてこのまま俺が消されるんだ。絶対皆思ってるよ、こんな奴に負けないって。

広さはP・A。制限時間は一試合で一人の人間がボールを保持できる平均時間。与えられた時間で役に立てない人間が落とされる・・。役に立たないって俺のことじゃん！

目の前に転がるボールをぼんやりと見つめながら思ってしまった。もう、いいか。どうせ俺は生き残ったとしても近いうちに落ちる。どうせ誰の印象にも残らないような存在だし。

・・
「A。サッカーで楽しい瞬間はいつだ？」

「ん？俺はねー俺が周りの人を喰った時が楽しい。ノア叔父さんもいつか喰ってやる！」

「・・！そうか」
・・

あの後、叔父さんは何て言ったんだっけ。珍しく嬉しそうな顔をしていたことだけ覚えている。ああ、叔父さんが今の俺を見たらどう思うんだろう。

不甲斐ない甥っ子に絶望するんだろうか。

「ああ、そうか。あの時の俺に成りきればいいんだ。」

解決策は一番身近にあった。俺がビビらずに話すことのできる家族、ノア叔父さん達。あの人たちとサッカーをしていた昔の俺に成りきればいい。

「喰えばいいんだ。ここにいる人全員」

刹那、この部屋の空間をボールが切り裂いた。

◇→←◇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す