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｢どうぞ｣
振り向くと そこにいたのは
ヒョン達ではなく、彼女だった。
A｢あ...｣
｢えっ、なんで...｣
A｢その、ジンさんがフルーツを切っていたので。
その...ジョングクさんが部屋から何時間も出てこないと聞いて...｣
気まずそうに答える彼女の手には
みずみずしいフルーツが並ぶトレイがある。
A｢というのは口実で...実は謝りたくて｣
予想もしなかった言葉に
思わず、素っ頓狂な言葉が出た。
｢謝る？｣
A｢驚いてしまって、つい失礼な態度を｣
頭を下げる彼女を見て思考がフリーズした。
呆然としていると
頭を上げた彼女と視線が交差して
慌てて机に向き直る。
A｢ここ...置いておきますね｣
｢変わってるね、あんた｣
心を落ち着けるために、
紙にペンをぐるぐる回しながら必死に言葉を探す。
じわりと滲んで染みになったインクに
目を落としながら独り言のように呟いた。
完全に俺が悪い状況で、
わざわざ謝りに来るなんて。
俺ならそんなこと、絶対にしない。
もしかして、彼女は俺より馬鹿なのか？
｢そんな事、わざわざ言いに来なくてよかったのに｣
A｢...私は、ジョングクさんを知りたくて｣
彼女の声が 部屋に響く。
もう一度 振り向いて、彼女を見つめ返した。
A｢ジョングクさんと、向き合っていきたいです｣
彼女は 馬鹿なんかじゃない。
ただ必死に、俺らと向き合おうと必死だ。
こうしてまた、
彼女は心に引っかかるような言葉を残して、
部屋を出ようとするから
俺は ほとんど無意識に声をかけていた。
｢俺の方こそ、...すみませんでした｣
A｢...えっ｣
彼女は驚いたように俺に振り返る。
｢...ヌナ、って呼んでもいいですか｣
窓から吹き込んだ風が
彼女の前髪をふわっと揺らす。
彼女は顔中いっぱいに笑顔を浮かべて頷いた。
太陽のようなその笑顔が
俺には 痛いほど眩しくて 思わず目を細めてしまう。
関われば関わるほど、
俺も 彼女を知りたくなっていた。
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jia(プロフ) - veritatislさん» veritatislさんコメントありがとうございます！ああ、、、嬉しいです；；これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2020年6月15日 0時) (
レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
veritatisl(プロフ) - 主さん素晴らしすぎます。楽しく読ませていただいています…！ (2020年6月7日 23時) (レス) id: 243eef421f (このIDを非表示/違反報告)
jia(プロフ) - hanalieさん» hanalieさんコメントありがとうございます！前作から見て頂けていたなんて、、本当にありがとうございます；；これからも宜しくお願い致します！ (2020年6月7日 22時) (レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
hanalie(プロフ) - ジョングクの不器用さが愛おしいです。jiaさんの表現がとても好きです。前作また最初から読み返したりして浸ってます。このお話も楽しみしていますね^^* (2020年6月3日 23時) (レス) id: b7b4fd9cd2 (このIDを非表示/違反報告)
jia(プロフ) - みいなさん» みいなさんコメントありがとうございます！前作に続き見てくださり本当にありがとうございます！！とても嬉しいです！これからもぜひ宜しくお願いします；；；； (2020年6月1日 0時) (レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jia
| 作成日時：2020年5月26日 13時
