8’葡萄のレアチーズケーキ ページ8
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うっすら開いた目
徐々に意識を取り戻していく
ベッドに横たわる自分に、おかれている状況を理解するのに時間は掛からなかった
...お兄ちゃんが運んでくれたんだ
おでこには冷却シートが貼られ、机に薬と水も置かれている
さっきより幾分かマシになった気がする
ゆっくりと地に足をつけベッドからすり抜けた
ガチャリと開いた扉
その先の兄が振り返る
「A！もう体調は大丈夫なのか？」
『うん、随分楽になったよ』
本当はまだ頭痛いし、重心定まらないけど大丈夫だと笑ってみせた
作業していた兄の手が止まり、静かな空気に一言告げられた
「A宛に、松田から電話があった」
知らせる、というよりは淡々と告げられる
何が違うかと問われれば説明しがたいものもあるが、何かこう＿＿
「昨日松田の看病してたから熱が移ったんじゃないのか」
僅かな怒りを含んだ瞳が私を捉えて離さない
何で、お兄ちゃんが知ってるの？
松田さんが言ってたの？
責められる事はしてない筈なのに悪い事をしてしまった子供の様に縮こまる
「A、男の家に上がり込むなって言っただろ。Aだって頷いたじゃないか」
なるほど、約束を破った事を言ってるのか
それにしても＿＿
『看病はノーカウントでしょ？』
「そうはいかないな」
いよいよ腕を組み始めた兄にムッとする
私の為だとか心配だとか言って、結局縛ってるものは過保護以外何者でも無いんでしょ？
私はいつまでも妹でしかないのは分かってる、分かってるけど...
だんまりを決め込む私に兄が息をついた
「...松田に一言言わないと気が済まないな」
独り言の様に呟かれた言葉の意味を理解した瞬間、兄の腕にしがみついた
『...私が熱出した事、松田さんには言わないで。＿＿自分が体調管理怠ってたせいだから。松田さんに否は無いから』
青い瞳に懇願し、掴む手に力が込もる
私が熱あるって松田さんに知られたら松田さんのせいじゃなくとも絶対自分を責めるに違いない。あの人はそういう人だから
お願い、とうつ向いた私に苦々しい溜め息をつかれビクッと体が強ばる
「そんなに松田の事...＿＿」
何かを言った兄に顔を上げると気まずそうに逸らされる視線
「...俺が悪かった。
＿＿松田との事は邪魔しないから」
『え？』
邪魔、しないって。何だかそれって＿＿
「...松田の事、好きなんだろ」
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます！何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました！笑 ありがとうございました！！ (2019年6月6日 7時) (
レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー！！こじれた恋愛ついに完結致しました！おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました！ (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です！！ (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……！これからもどうかお幸せに、ですね！お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか！ありがとうございます！！この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...！！喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンドウ | 作成日時：2019年4月2日 5時
