19’シブースト ページ19
『...んー、』
学校の帰りにスーパーへと寄り道で今日の晩ご飯の買い物
食材を取っては戻し、の繰り返しで中々決まらない
『どうしようかな...』
「どうなさいました?」
あまりにも自然過ぎて、背後に誰かが居た事に気付かなかった私は大きく肩を震わせた
「おや、驚かせてしまいましたか?」
『お、沖矢さん』
見知った顔で安堵の溜め息をつく
「Aさんもお買い物ですか」
『はい。...でも中々決まらなくて』
生憎カゴの中身は未だに空っぽだ
「...では夕飯食べに来ますか?」
『え?』
「実は今日シチューにしようと考えていて多めに作る予定だったので」
それに、と付け加えて言葉を紡ぐ
「最近は料理教えられてませんでしたからね。久々に一緒にどうですか?」
沖矢さんからの提案に目を輝かせた私
『ご迷惑で無ければ是非!』
...そう言えば二つ返事で返したけど、兄との約束(男性の家に一人で上がらない)を悉く破ってるなぁ
...ごめんなさいお兄ちゃん
**
「人参と玉ねぎを軽く炒めて、この鍋だと水は五分目ぐらいが丁度いいですね」
鮮やかな手さばきに感動しながら言われた手順をこなしていき、野菜を切って炒める音だけがこの空間を支配する
「...お兄さんは元気ですか?」
『...え、』
止まってしまう手
兄、のワードが出ただけで反応してしまうなんて
『元気ですよ!...多分』
「多分?」
『...最近は帰って来るの遅いらしくて顔合わせて無いんです』
そんなこんなが続いて二週間ぐらい
...私が兄に告白した後からだ
自然と落ちてしまう視線を無理に上げようとした所、沖矢さんとバッチリ目が合う
「Aさんは...」
『はい?』
「...お兄さんの事、好きですか?」
流石に硬直してしまう体
脳内がフリーズ状態に陥る
いやいやいや、家族としてって事だから!変な意味で聞いたんじゃ無いから!!
『好きですよ。大切な兄ですし__』
「一人の男性として?」
『っ、へ?』
思わず語尾がおかしくなったが仕方無い
急にどうしたの沖矢さん
一方沖矢さんはというとご名答では?と言いたげな表情
『な、なんっ...』
「きっと他の方は気付いてませんよ。ただ少し私が変化に敏感なだけですから。だから安心して下さい」
そう言ってニッコリスマイルの沖矢さんに、何を安心していいか分からずにモヤモヤしながらシチューを作った
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時