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『そーちゃん。』
泣きじゃくる俺を抱きしめたまま、Aが口を開いた。
「?」
『そーちゃんごめんね。辛かったのに側に居てあげられなくて。
こんなに我慢させて、ごめんね。』
そう言って、腕に力を込めた。
その腕の細さに、初めて気付いた。
「……。」
その言葉の意味が分からず、俺は押し黙った。
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暫くして落ち着くと、俺は気になっていたことを尋ねた。
「なあ。なんでアンタは、いつもここに居てくれるんでぃ。」
『……。』
いつも、いつも、いつも。
アンタは、“俺が会いたいと思った時”いつもここに居てくれる。
Aは、あの優しい声で言った。
『それはね、そーちゃんが、私に会いたいって思ってくれるからだよ。』
「…は?」
『そーちゃんが私を必要としてくれるから、私はここに居られるの。』
「意味…わかんねぇよ…。」
『そーちゃんが、私を見つけてくれたから。
だから私はここに居られる。
だから、さ…』
「A…?」
初めて見た。Aのこんな表情は。
Aは、笑っていた。
だが、いつもの楽しそうな笑顔じゃない。ふざけて俺をからかってる時の笑顔でもない。
そっと、Aのひんやりとした手が、俺の頬に添えられた。
そして、その形を確かめるように、Aは俺の頬を撫でた。
『ホントは…
ホントはもっと、ずっと、一緒に居たい、のに…なぁ……。』
その笑顔は、
ひどく寂しそうだった。
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ちょこころね(プロフ) - すごく続きが楽しみです!無理せずに頑張ってください! (2021年1月21日 22時) (レス) id: a289ecd4b7 (このIDを非表示/違反報告)
沖田夕重(プロフ) - わあああああ返信遅くなってしまって申し訳ありません、、、!んええええ気になってくだっさってるんですか!!光栄です!ありがとうございます!! (2020年12月10日 0時) (レス) id: d619299740 (このIDを非表示/違反報告)
莉弥(プロフ) - んんんんぉぉぅぅぁぅ気になるぅ (2020年5月26日 0時) (レス) id: f49a8255da (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 沖田夕重さん» あげられるほど高くありませんよ…(笑) 私も来年受験だから頑張らないと… (2019年1月4日 10時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
沖田夕重(プロフ) - Leafさん» ありがとうございます!偏差値ください! (2019年1月3日 23時) (レス) id: fd7dd08ffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田夕重 | 作成日時:2018年2月23日 22時