俺はお前の、お前は俺の (ページ16)

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春「もう俺には近づくな。」

『なんで…』

突然突き放されて涙で視界がぐちゃぐちゃになりそうだった。

春「お前はもう俺には関係ない。」

『私は…春「じゃあな。」

春はそう言い残して車に乗って走り去ってしまった。

私がこれまでの期間探し続けていた最愛の人はすっかり変わってしまったんだろうか…

それから数日後、蘭さんと竜胆さん、それから春がお店に現れた。

蘭さん曰く、東さんと桜田組は潰されたらしい。
最近お店に来なかったのはそういうことか…。

蘭「協力してくれてありがとね？」

『いえ…私は何も…』

竜「また今度お店に飲みに来るね？」

『あ、待ってます。』

そう言い残すと灰谷兄弟はお店から出ていき、残った春は何か言いたそうにしている。

『あの…』

春「お前、いつもそんな恰好してんの？」

『え?』

そんな恰好って…ドレスのことか。
今日はタイトでミニ丈の胸元が大きくあいたドレスだった。

春「男は変なことしか考えてねぇから襲われんなよ。」
そういうと1枚のメモを渡してきた。

『ん…？』

春「なんかあったら連絡してこい。」

そう言い残すと店から出て行った。

あの日以来、私と春の関係性は大きく変わってた。

もらった連絡先に私が連絡してからよく二人で会うようになった。
少しずつだけど、私たちの距離は近づいて行って、私はやっぱりこの人が好きだと実感していた。

最初は気まずくて、2人で会ってもどこかぎこちなかったけど春も少しずつ笑顔を見せてくれるようになったし、私も笑顔で話せるようになった。

お店の休みと春の休みが重なった今日。
久しぶりに二人でドライブに行った。

『ここって…』

春「覚えてっか？」

昔、付き合ってた時よく来ていた海だ。
ここで二人で座って話したり、砂浜を手とつないで歩いたり…最後のデートにも来てたな…。

春「七瀬。」

『ん…？』

真剣な表情で春は私を見つめた。
また別れを告げられるんだろうか…
もしそうだとしても私は今の気持ちを伝えたかった。

春「7年前、なんで急に俺が別れを告げたか話すよ。」