俺はお前の、お前は俺の (ページ17)

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【復縁】ページ17

春「7年前、なんで急に俺が別れを告げたか話すよ。」

春と私は海辺の階段に座って話し始めた。

春「俺は七瀬を守りたくて、お前から離れた。
俺が初めて人を殺したとき、七瀬には言えねぇことしたって思った。
でも、そこから人を殺すことに抵抗がなくなったんだ。
このままじゃ七瀬のこといつか壊しちまうと思った。こんな汚い手の俺が七瀬に触れちゃダメだって思った。」

『それで別れようって言ったの…？』

春「あぁ。でも別れてからも1日だって忘れらんなくよぉ。
ずっと探してた。7年もかかっちまったけど、あの店を調べることになって七瀬を見つけ時すげぇ嬉しくてよ。店の人間も潰すって話になった時何が何でも七瀬だけは助けたくてあのくそ兄弟に頭も下げた。
結果、あいつらが買い取ってくれたから店ごと潰さなくて済んだけどな…」

『そうだったんだ…』

春「俺はあの時と比べもんにならねぇくらい人を殺したし、ヤクにも手を出して今じゃ反社だ。
七瀬が俺のことを受け入れてくれるとは思わねぇ。
けど忘れられねぇ、今も七瀬だけが好きだ。
もう一度、俺のそばにいてほしい。」

そういう春の目は真剣で私の目を捉えて離さない。
私の大好きな春の目…

『春…私もずっと春が大好きだよ。
別れてからも1日だって忘れたことない…。
春がもう普通の世界にいないことくらい気付いてた…
だから少しでも近づきたくてあの店で働いてた…』

7年たってようやく伝えられた想いに涙があふれてくる。
ずっと言えなかった「好き」を伝えられた。

春は優しく私の腕を引っ張って自分の腕の中に閉じ込めた。

春「はぁ～～～やっと抱きしめれた…」

『春、匂い変わらないね。』

胸に顔をうずめると頭をそっと撫でてくれる。

春「七瀬がこの匂い好きだっつうから変えずにいた。
七瀬が俺のこと見つけられるように。」

『見つけられたよ…』

そっと顎を上に向けられると春の顔が近づいてくる。
目を閉じるとそっと重なる唇。
7年ぶりの最愛の人とのキスは今までで1番幸せだった。