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「なぁ、めめ…っ」
黙って急ぎ足で歩くめめと、手を引かれて戸惑う康二がスタジオの方から向かってくる。
すれ違い様、めめは無言でぺこっと会釈。
康二は律儀に、
「あっ、お疲れさん、行ってらっしゃい！ わぁ、めめ、待って…！」
声を掛けてくれたけど、めめに引っ張られて行ってしまった。
「ねぇ、めめと康二くん、大丈夫かな…」
心配そうなラウールの肩をふっかがとんとんと叩く。
「大丈夫。割と平和な理由だと思うよ。
康二がかわいすぎたー！、とか？ …な？」
最後の『な？』で俺に同意を求めるの、やめて。
サングラスの隙間からの上目遣いとか、その悪戯っぽい笑い方とか、ふっかの魅力全開だから。
スタジオに入ると、撮影用のセットに椅子が３つ、弧を描くように並んでいた。
「真ん中じゃんけんしよ！」
ラウール発案のじゃんけんに勝ったのはふっか。
「センター貰ったぜー！」
「ちぇー、いいなー」
「いいだろ。あ、照、ここな！」
楽しそうだな。
空いてる方の隣、そんなにぽんぽんしなくても、ちゃんと座るよ。
「３人なので、真ん中に座った深澤さんが両隣のお二人を食べるか、お二人に食べられるかです」
カメラマンさんの言葉に、ふっかが口元に手を当てて考え込む。
「俺……食べる方がいいな」
妙に真剣な表情で言うから、ラウールがこくこく頷く。
思うところあって、俺も一旦乗ることにした。
俺たち２人の手を取って、まずはラウールの手にあーんの口を持っていくふっか。
カメラマンさんのOKをもらって、今度は俺との番。
「…、何…っ」
涼しい顔して、俺の親指に噛み付く。
「岩本さんにだったら、ちょっとくらい乱暴にしても大丈夫かなぁ、って。
そういう顔も見たいじゃん？」
そう言って笑うから、なんかスイッチ入ったかも。
煽ってんの？
そう。じゃあ、反撃だ。
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます！初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです＾＾ (2022年10月10日 8時) (
レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2022年9月4日 11時
