Maybe.Ⅲ (ページ15)

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　深澤先生の言葉にみんな押し黙る。さっきまで、しょっぴーに対して怒りを向けていた康二も唇を噛んでるだけで、何を言わない。

「だから、しょっぴーを……渡辺先生を責めないであげてください。彼の精一杯の判断が患者さんを救ったのですから」

　深澤先生に言われてしまうと、確かになと思ってしまう。

「局長？でしたっけ。なんか言われたら、俺に言ってください。事実を伝えますから」

「……分かりました」

　深澤先生の言葉に俺たちは頷いた。納得はできないこともある。だけど、大人だから割り切らなくてはいけないこともある。
　今回の教訓を次に活かせばいい。まだまだ、改善できるところはたくさんあるということだ。

「ん？」

　そう思っていると、胸ポケットでピッチが振動した。俺はそれを取り出して、電話に出る。

「はい、救急病棟の森本です」

『もしもし、オペ室の堂本です』

「あ、はい！お疲れ様です」

　オペ室の看護師さんから電話なんて……なんかやってしまっただろうか……手術の同意書が足りなかったとか……？

『増田さんの手術の経過が気になってると思ってお電話しました』

「え！？わざわざありがとうございます」
　
　