【男主】春に舞う雪

苦手な好奇心 ページ17

ラ「春くんの苦手なものってなに？」

このラウールの一言で全てが始まった



深「それでは第一回、春野Aの苦手なもの考えよう会議を始めます」

向「よいしょ！」

今日の中国語勉強会が終わった後、
すぐにふっかさんと阿部ちゃんがホワイトボードの前に立って謎の会議を始めた

「え、なにこれ」

真面目な阿部ちゃんも乗り気なのが怖い


もう1人、味方になってくれそうな照兄に目線をやったけど、
「諦めろ」って口が動いた気がした
いや、あれは確実に動いてた


目「意外と1人でお化け屋敷入れなさそう」

分かってはいたけど、
隣で姿勢よく座っているめめが1番前のめりなんだね


佐「Aはお化け屋敷とかジェットコースター平気そうじゃない？それスノでも虫触ってたし、ほんとに苦手なものないとか」

深「そこのところどうですか？」


みんなの視線が一斉に集まる


深「Aに苦手なものはありますか？」

「あるのは、あるけど…」

ラ「ほら！やっぱりあるって！」

宮「食べ物以外でだよね？」

「うん」

何で舘様までそんなに真剣なの？そんなにこれって大事なの？


渡「俺分かった」

深「どうぞ」

渡「大きい音だ」

「んー、半分正解かな」

渡「まじで！？絶対当たりだと思ってた」

阿「半分正解ということは、その辺り攻めていけば当たるね」


いつの間にクイズ大会になったんだろう


向「大きい音ってあれか？ライブの火薬とか？」

「ううん、違う。というかもうこの会議やめない？恥ずかしいからあんまり言いたくないんだけど…」

目「なにそれ滅茶苦茶可愛い」

何がめめのスイッチを押したのか、右手をぎゅっと握られる


「別に可愛くもなんともないんだけどな…」

岩「雷、とか？」

「あっ、」

深「A、もしかして正解？」

「えっと、あの、」

目「Aの手に力入ったから多分正解です」

佐「なんだよ！可愛いとこあんじゃん！」

向「全然普通やん！何が恥ずかしいん！」

「…ほんとに苦手だから」

雷を想像しただけでなんか嫌になって、
思わず握った手に力が入る


目「俺、今日Aのことお持ち帰りします」

「は？」

渡「絶対許さん！俺は許さん！」

宮「翔太落ち着いて」

ラ「まだ未成年がいるんですけどー」

深「お持ち帰りはよくないけど、俺が目黒なら多分同じこと思ってる」

目「絶対手離さないから」

「だから、そういうのはファンの子に言ってってば」



もう恥ずかしくて堪らないんで帰っていいですか？

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