6月の花嫁

18日目 ページ18

「泣くな」


「…ゆんぎ」


「…なんだよ」


「すきぃ〜！」





やっぱり私にはユンギしかいなかった



意地を張ったってキッパリ諦めようと思ったって違う人を好きになろうとしたって結局戻ってくるのはユンギで私の中にはユンギを越える人なんていなかったしこれからもずっーと現れないと思う



嗚咽を混ぜながらユンギにひたすら好きを連呼していると今まで黙っていたユンギがポツリと呟いた





「悪かったな」


「…え？」





体を離しユンギを見ると私の顔が相当酷かったのかうわっと顔を歪めパーカーの裾で涙を拭われた





「なんで…ゆんぎがあやまっだの？」





鼻声でそうユンギに聞くと目線を泳がすユンギ






「…実はナムジュンからお前の不満とか悩みは全部聞いてた」


「…」





部屋に走る沈黙



ん？聞いてた？何を？



ユンギを見たまま固まっているとバツの悪そうな顔をしたユンギがもう一度小さく、腑に落ちない様子で悪かったと謝った





「俺の態度とか行動とかでお前を不安にさせてることだって知ってたし、俺が本当はお前を好きじゃないんじゃないかって怯えてたのも知ってた」


「…」


「…それに…あぁ〜…そのなんだ…まぁ…とにかくお前を好きになる奴はこの地球上で俺だけだろうって話だ」


「な、なにそ」




れ



言葉を飲み込むように唇を塞がれる



久しぶりのユンギの感覚に脳内が痺れていく気がして思わずユンギを叩くと少し不機嫌になりながらもゆっくりと離れていくユンギ



ユンギは何か言いにくいことなんかがあるとこうやっていつもキスをして流そうとするのは知っている



何を隠しているんだとジトリと睨めば珍しくユンギが後ろに反り返った(気がした)





「…お前が作る飯で胃もたれして吐きそうになるのも俺だけでいいし、朝お前の半目でよだれ出してるブサイクな顔見るのも俺だけでいいし、お前をこうやって泣かすのも俺だけでいいだろ」


「い、意味分かんないんだけど…何で私こんなに貶される訳？本当にナムに私が不安がってるってこと聞いたの？そう言う所が嫌なの！！毎回毎回私ばっかがユンギのこと大切にして！！どうせユンギは私のこと好きじゃないんでし「うるせぇ」





今度は噛みつくようなキスをされる



いつもよりも深くて長いキス



ユンギの迫る舌からどうにかして逃げようとするけど頭をガッチリとホールドされ逃げれない




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