昔話 〜人生が変わった日〜 ページ25
長瀬side
〈2005年某日〉
父｢なにしてんねん、ダンスはよ行くで？｣
長｢嫌や、行きたない｣
母｢もう……｣
父｢んー……じゃあ今日頑張って行ったら明日休んでええよ｣
母｢え？｣
長｢え？｣
父｢パパの用事に付き合ってもらうけどな？｣
長｢ほんとにいいの？｣
父｢ええよ？だから今日は行くぞ｣
長｢分かった｣
ダンス2種類にバレエ、ピアノって習い事で忙しい毎日が嫌になってしまった小学5年生の夏。全部辞めちゃいたいなって思ってた時だった。
明日の1日練習を休ませてもらえるなら、今日の3時間くらい頑張れるなって気持ちで練習に向かった。
ｰｰｰ
次の日、パパと一緒に電車と新幹線を乗り継ぎ、東京へ。どこに行くかも何をするかも分からない状態だったけど、なんだかワクワクしていた。
長｢ねぇ、どこ行くの？｣
父｢んー、いいものを観に行くよ｣
長｢観に？｣
父｢うん｣
そう言われて向かった先にあったのは、見たことのない大きな建物。綺麗な建物だなーって思ったくらい。
父｢これから舞台観るよ｣
長｢舞台？｣
父｢劇団四季っていう劇団の舞台｣
長｢劇団四季？｣
父｢そう、ライオンキング、知ってるでしょ？｣
長｢知ってる｣
父｢の舞台｣
長｢へー｣
舞台は今まで観たことがなくて、どんなものかがまったく分からなかった私はまったく興味を持てなかった。でも開演直後、私は舞台から目が離せなくなっていた。話そのものは知っていても、初めて観る舞台の世界観や会場の空気感、そしてなによりも、
父｢この子、Aと同い年だよ｣
とパパが言っていたヤングシンバ役の子に釘付けになっていた。表情なのか、声なのか、なにかは分からないけど、その子は人を惹きつけるなにかを持っていた。
ｰ
終演後、感想を聞いてきたパパに対して答えた言葉は昨日の自分からは想像ができない言葉だった。
長｢ダンスもっとやりたい｣
父｢え？｣
長｢ダンス…ダンスだけじゃなくてバレエもピアノももっと頑張ったらこういう大きな舞台立てる？｣
父｢Aなら立てるよ、きっと｣
長｢こういう舞台立ってみたい、から明日からまた頑張る｣
名前も知らないヤングシンバの子のおかげで、もっとダンスを頑張りたいって心の底から思えた。夢も持てた。本当に人生を変えられた日なのかもしれない。いつかあの子とも会えたらいいな、そう思いながら家に帰った。
明日からまた頑張ろう。
ありがとう、川島なんとかくん
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すゆちぇ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！美紀様も体調お気をつけてください(^^) (2020年10月17日 4時) (
レス) id: c34a529624 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 大好きなグループのコラボ最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年10月5日 17時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すゆちぇ | 作成日時：2020年9月29日 23時
