君がいなくなっても-3- (ページ42)

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深澤辰哉side

病院へ駆け込むと、手術室の前に目黒、弟くん、そしてご両親の姿

目黒｢ふっかさん、｣

俺の顔を見る目黒の目は真っ赤だ

｢...A、は...｣

父｢今、手術中だそうだ。｣

母｢っ......。｣

｢そうですか、｣

目黒｢立花さんが、皆にも連絡入れてくれたみたいでこっち向かってるらしいです。康二と佐久間くんは仕事終わり次第って。｣

徐々にメンバーも集まっていく

それでも【手術中】の赤いランプはまだ消えない

1分が1時間にも感じるほど、重たい空気が流れ続ける

阿部｢ふっか、大丈夫？...手、｣

｢ん、ごめん...。｣

強く握った手には爪がくい込んでて、血が滲んでいる

阿部｢1人で抱え込まないで。大丈夫って、信じよう。｣

今の俺らには信じることしか出来なかった

それからまた時間がたった頃、康二と佐久間が息を切らして手術室前に来た

なんとか、予定よりも早く仕事を終わらせてきたらしい

2人に舘さんが状況を説明していると、ランプが消え術衣を着た人が出てきた

医師｢一命は取り留めました。......しかし、予断を許さない状況です。｣

その言葉に不安が募る

医師｢全身の打撲、骨盤と手足の骨折、内臓損傷がありました。手術は成功しましたが、出血が多かったためかなり危険な状況です。ここ数日が峠でしょう。もし、それを乗り越えたとしても、意識が戻る保証はできません。｣

Aのお母さんが泣き崩れた

お父さんも、めめも弟くんも家族の意識が戻らないかもしれないという事実を受け入れられていないように見えた

もちろん俺らも、そんなこと受け入れたくなかった

手術室から出てくるAは沢山のよく分からない機器に繋がれて、あちこちに包帯が巻かれている

そのままICUへと入れられる

さすがに大人数で入れないから、メンバーである俺らは外からAの様子を見るしかなかった