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阿部さん、大丈夫かなぁ…
心配で堪らなくて、何にも集中して手がつかない。
ちょうど、お粥が出来上がった、という頃合いの時だった。
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ベットから『んん』とふと阿部さんの声がした。
あ、…もしかして起きた？
見ると、目を擦りながらこちらを覗く彼。
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なんか今の阿部さん。
いつもに増して色気があるというか…すごく調子狂っちゃう。
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あ 「…体調、どうですか？」
顔つきを見るなり、顔は赤いし目もとろーんとしてるからまだ治ってはいなさそう。
でもさっきよりは少し顔色も明るい？
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阿 「…うん。さっきより大分良くなったと思う」
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まだ無理して、笑ってる…？
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阿部さんのおでこからべろーんと剥がれてしまった
冷えピタがベットの傍に。
最初に貼ってから結構時間も経っちゃってるよね。
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あ 「本当によかった、です…
冷えピタ、今新しいの持って来ますね」
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あ 「あとお粥も。…味気に入って下さるか分からないんですけど」
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なんだかんだ、コレが初めて阿部さんに作る手料理。
忘れていたけど、彼が私の家に来るのも、初めてなわけで…
なんて次々、意識し出したら心臓もどんどんバクバクいうんだ。
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阿 「…うん。ありがとう」
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阿部さんがいつものように優しく微笑む。
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あ 「…」
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阿 「…」
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たった一瞬なのに見つめ合っている一秒一秒が今は長く感じて。
阿部さんは何かを言いたげな表情で
こちらを見ている様なそんな気がした。
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阿 「…Aちゃん」
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振り向き様に、ふと呼ばれた名前。
びっくりしてつい声が裏返る。
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あ 「…は、はい？」
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阿 「…ううん。やっぱり何でもない」
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…ねぇ、阿部さん。
その言葉の続き、教えて下さい。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
