＊41 A.Side ページ11
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阿 「…んん」
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瞼を開けるとそこは真っ白な天井だった。
えっと、俺。あれからどうしたんだっけ？
ゆっくり身体を起こすと、熱を帯びた冷えピタがおでこから剥がれた。
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そっか。俺、倒れちゃったんだった…
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少し横になったおかげか頭痛や倦怠感も少しなくなって
さっきより、ちょっとはマシになった気がする。
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あ 「…あ、阿部さん」
俺に気付いて、心配そうにこちらに寄って来るAちゃん。
あ 「体調どうですか？」
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阿 「…うん。さっきよりは大分良くなって来たと思う」
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本当Aちゃんには迷惑ばっかりかけていて…
すごく申し訳なくて。
だけど、君は嫌な顔ひとつしない、んだよね。
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あ 「本当によかった、です…
冷えピタ、今新しいの持って来ますね」
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あ 「あとお粥も。…味気に入って下さるか分からないんですけど」
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阿 「うん。…ありがとう」
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ドクッ…不意に高鳴る胸。
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その笑顔に凄く癒される。
体調がマシになった理由の一つもAちゃんのおかげなんじゃないかなって…
強く、思うんだ。
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やっぱり気のせいじゃなかった。
目覚めた時、いい香りが鼻を掠めたんだ。まさか、お粥を作ってくれていたなんて、ね。
一つ、一つの些細なことに気が付いてくれるAちゃん。
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なんと、いうか…
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一緒に居てすごく安心するっていうか…
俺の弱い姿を彼女になら見せてもいいのかなぁ
って思わせてくれる。
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…ねぇ、Aちゃん。
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出来ることなら、今日は
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ずっと、傍に居て欲しい、な…
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
