朝、起きたら… (ページ16)

今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:146,943 hit

16 ページ16

黒

あべちゃんが佐久間くんの帽子を被った。

【俺は佐久間のもの！】って意味だったらキツすぎる！
だけど、あべちゃんは俺の余裕をなくしたくて、意地悪しただけだった。

可愛い…

でもあべちゃんは俺が傷付いてると思ってる…
これってチャンスじゃね？

涙を貯めて申し訳なさそうに謝るあべちゃん。
ゴメンね？俺も普通の男だから、下心あるんだ？
普通に言うから！

黒『俺結構傷付いたよ！凹んだ。だから、慰めて？
キスしてくれたら嬉しくて、立ち直れるかも…』

緑『ぅぇっ？冗談…だよね？』

黒『マジだから！
俺…泣きそう…』
わざと落ち込んだように顔を俯かせていた。

チラッとあべちゃんを見ると、今度は顔を真っ赤にして、口パクパクさせて、ホント可愛いしかでてこない。

なにやら覚悟を決めた感じのあべちゃん。

緑『///キス…したら、泣かないんだよね？///』
俺の肩に手を掛けて背伸びするあべちゃん。

黒『うん！』
ヤバっ！
どこまで純粋なの？
にやけそうな顔を必死に我慢し、目を瞑った。

一瞬だけ頬に柔らか感触…
ぇっ？口じゃねーの？

ぃゃ、頬でも嬉しいけどさ？
口にするなんて誰も言ってないけど、流れ的に口だと思うじゃん！

緑『これで泣かない？傷付いたのチャラになった？///』

今どき、頬っぺにキスしてこんな真っ赤になる子いる？
しかもこの前誕生日きて、２８歳迎えた人だよ？

可愛い過ぎるだろ！

黒『うん、もう平気。』

緑『もう出来ないからね？泣いても！最後だから！』

こんなやり取りをしてるうちに俺は仕事の時間になった。
そろそろ行かなきゃな…もうちょっと一緒にいたかったな…

黒『あべちゃん、そろそろ仕事行くよ。』

緑『もうこんな時間だったんだ！
めめ、今日はホントにありがとね。助かった。』

見送りはいいって言ったんだけど、車までするって聞かないから、して貰うことにした。

黒『…あべちゃん鍵しめて！』

緑『ぇっ？見送るだけだよ？一階に降りるだけ。』

黒『でも閉めて！女の子なんだから気を付けないと！』

緑『…はーい…』
納得いってない顔してるけど、これは譲れないから！

車について別れる時、あべちゃんの顔に睫毛がついてたから、『あべちゃん、睫毛ついてるよ？じっとして？』

と言うと、目を瞑って顔を上にむけるあべちゃん。

…無防備にも程がある…
…ゴメンね？我慢出来ないかも…