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Aside
5月中旬。
男子が混ざった教室にももうすっかり慣れた。
「あ、ラウ。おはよ。」
ラ「おはよー。今日から朝練?」
「うん。自主練みたいなもんだけどね。
あー!疲れた〜!」
ラ「ふはっ!Aちゃんおつかれさま!」
村上真都ラウール。
隣の席に座るハーフの男の子。
相変わらずすんごい綺麗な顔してる。
ラ「昨日顔合わせがあったんでしょ?」
「苺花先輩から聞いた?」
ラ「うん。やっと始まる〜って言ってたよ。」
「そうそう!4月はいろいろ忙しくて
一緒に練習してなかったからね。」
ラウールには3年生のお姉さんがいて、
私の直属の先輩。
もちろん同じようにミドルネームがあるんだけど、
本人が「私は苺花がいい!」と言ったらしい。
だから私も言われるまでラウが
苺花先輩の弟だとは分からなかった。
ラ「あ、そーだ。岩本くんと話した?」
「いやいや!話せるわけないでしょ!」
ラ「同じ種目だよね?なのに話さないの?」
「昨日は先生の話聞いて終わったし。
それにさぁ…」
ラ「怖いよねって?」
私が言おうとしたことを先取りされて少し驚いた。
なぜか当の本人は笑ってて、頭にはてなが浮かんだ。
ラ「相変わらずなんだね!岩本くん。」
「えっ?どういうこと?」
ラ「んー?いつか分かるよ!それまでのお楽しみ!」
「意味わかんないんだけど!」
ラ「とりあえずちょっと話してみなよ。」
その後私が何回聞いてもラウは
「話せばわかる」しか言ってくれなくて
結局何も分からないままだった。
話せばわかるって言われても。
話すのが怖いんだってば。
今日から本格的に雪ノ下学園としての練習が始まる。
だから嫌でも顔を合わせなきゃいけないわけで。
妙に部活に行くのが不安になった。
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作者名:ひなの | 作成日時:2021年7月22日 21時