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岩本side
俺は俺。
周りの奴らは関係ない。
走って、100m先のフィニッシュラインを越える。
それだけ。
『On your marks』
『set』
岩｢………｣
パァン!!
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『岩本。また自己ベストだ。
2年最後の大会に相応しい走りだった。』
岩｢ありがとうございます。｣
『この調子で3年も頑張れよ。』
岩｢はい。もちろんです。
今年こそは必ず全国1位とります。｣
陸上を始めたのは中1。
元々走るのが好きだった俺は、
部活選びで迷わず陸上部を選択した。
走れば走るほどタイムが縮まっていく感覚が
たまらなく好きで、
毎日死ぬ気で練習した。
苺｢照！お疲れ〜！｣
岩｢うぉっ！んだよ、
びっくりさせんな。｣
苺｢相変わらず速いですねぇ〜｣
岩｢お前も1位だっただろ。｣
苺｢えっ！見てくれたのー？嬉しい〜｣
苺花は1年のインターハイで知り合った。
たまたま近くの席にいただけなんだけど、
地元も種目も同じだったから
気づいたら仲良くなっていた。
苺｢てかさ、4月から一緒に練習できるね！｣
岩｢あぁ、そうだな。｣
苺｢照の走りをそばで見れるとか
お金取られんじゃない？｣
岩｢なわけねぇだろ。
雪女、短距離何人くらいいんの？｣
苺｢んーとね。10人かな。
まぁ1年生入ってくると思うけど。｣
同じくらいか。
せっかく設備のいい雪女で練習できるのに
あまりにも人数が多すぎたら困る。
岩｢ふーん。そん中だとやっぱ苺花が
ダントツなわけ？｣
苺｢いやいや。実はさ、期待の1年いるんだよね。
今はまだ大丈夫だけど、なかなかやばい。｣
岩｢へぇ。自信家の苺花にそう言わせんだから
相当だな？｣
苺｢ねぇそれ褒めてる？｣
"期待の1年"
俺が去年言われ続けた言葉。
その魔の称号を手に入れてしまった
彼女に少しだけ興味を持った。
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作者名：ひなの
| 作成日時：2021年7月22日 21時
