182 Abe side ページ33
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君がいなくなった夏が嫌いだった。
いつだって君の命日になると必ず、君と笑い合っている懐かしい夢を見た。
その度に、まだどこかで生きてるような気がして。
目が覚めて辺りを見回して、また、現実を知る。
……隣にもう君はいないんだ、って。
君がいなくなっても、世界は変わらず時を進めた。
タイムマシンなんかまだ作れなくて。
過去の君しか俺にはないのに、それもまた時間が経つ度に記憶の中から少しずつ薄れていくことが辛くて悲しかった。
冬も嫌いだった。
寒がりな俺のことを、笑う君がいなかったから。
朝になる度、当たり前のように朝が苦手な俺を起こしに来ていた君のことを思い出してしまったから。
寒さが、君が隣に居ないことを嫌でも感じさせて。
もう聞こえない声。
もう感じない香り。
もう繋げない手。
失ったものばかり数えて、冬はますます心が凍えた。
＿＿＿だけど雪が降る度、君のことを思い出す。
あぁ。君はまるでこの雪のようだと思った。
ヒラヒラと近くに降るのに、触ると溶けて無くなってしまう。
簡単に。
無情に。
結局、君のいない春夏秋冬は、どれも嫌いだった。
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俺に幼馴染はもういない。
日焼けした肌に。
頬によく絵の具をつけて。
大好きなあの笑顔を見せる彼女は、もういない。
顔も、声も、香りも。
何もかも違う。
彼女を愛していなければ、
もっと楽だったのかもしれない。
だけど、彼女を愛していたから、
俺は生きる意味を見つけられた。
＿＿＿そして、また彼女に出会うことが出来た。
俺は、人を愛するとは何なのかということを万人に当てはまるようにうまく言葉で表現できるような詩人ではない。
ただ俺は今、胸を張って隣に居るAのことを何より大切だと言える。
もう二度と離さないし、離れたくないと思う。
これから先何があってもAにとって世界で一番の味方でありたいし、今度は俺が守ってあげたいと願っている。
こういう感情を、人は愛と呼ぶのかな。
愛することをうまく説明することはできないけれど、その形が人それぞれなのだとしたら。
きっと俺が愛を語るには君が必要で。
君無しで語れる愛なんて俺にはないと思うんだ。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
