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阿部「…ははっ。……俺、まだ夢を見てるみたい。」
それからしばらくして。
少しだけ落ち着いた亮平は、ぽつりぽつりと小さく話し始める。
私は、その言葉を一粒残らず聞き取るように、その声に集中する。
阿部「Aが居なくなったあの日から、ずっと、後悔してことがあって、」
「……うん。」
阿部「昔から、Aのこと好きな自覚があったのに、俺は幼馴染っていうポジションに甘えて、想いを伝えたことなくて……」
そんなの、私もだ。
私なんか自分の気持ちに気付きもしなかった。
阿部「だから、Aの病室で、いくらAの名前を呼んでも反応がなかった時、息を、引き取った時っ、……っもう一生、好きだって伝えられないんだって、すごく後悔して……、っ」
病室で何度も泣きながら、私の名前を呼んでくれたよね。
聞こえていたよ、全部。
だけど、あの時の私はどう頑張っても返事ができなかった。
阿部「同じ高校に行きたいなんて口実で、ほんとはただ、少しでもAと一緒に居たかっただけでっ。側に居れたら、何でもよかったのに。なのに、俺のわがままでAは居なくなって……っ、」
そんな気持ちで居てくれたなんて、気付かなかった。気付こうともしてなかった。
絵にばっかり夢中で。
だけど、私も亮平の隣にいることを望んでたんだよ。
亮平と離れるなんて、考えられなかったもん。
阿部「っ、だけど、もうさ？そんな事どうでもいいよ。だって、こうして今また会えて、話せてる。またAに会えただけで、こんな奇跡みたいなことない。そう、思った、のに、っ。」
私が抱きしめていたはずなのに、いつの間にか亮平が私を抱きしめている。
阿部「好きだって想いあえるなんて、っ。そんな夢みたいなこと……。そんなことが続くなんてさ、？とても、信じられないよ、」
「……うん。でも、信じてよ。」
阿部「っ、」
「好きなの。」
私の言葉を聞いて、亮平がまた泣き出してしまう。
「私、亮平のことが大好きなの。」
貴方が安心するまで
何度でも。
何度でも、
伝えるから。
だから、どうか信じてよ。
そしてどうか、もう自分を責めて泣かないで。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
