171 Abe side ページ22
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Aを失ったあの日から、何かを望むのはとても怖いことだと思うようになった。
きっかけは、同じ高校に行きたい、だなんて無邪気な願いだったのに。
一生懸命その願いを叶えてくれようとするAに、俺は単純に嬉しさだけ感じていて。
当たり前にそばに居ると思っていた。
これから先もずっと。
考えるより先に行動するAだから、ちょっと頑張りすぎているかなと気付いていたけど、その一生懸命さすら好きなところだった。
＿＿＿だけど、ある日突然彼女は居なくなった。
周りからの、俺のせいじゃないという慰めの言葉が余計に苦しくて。
だってどう見たって、どう考えたって、俺のせいだろう？
彼女のすぐ横に俺があげた英単語帳があったと聞いて、あぁきっと神様が彼女が死んだのは俺のせいだってメッセージを残したんだって思った。
それに、そう思う方が楽だった。
彼女の居ない日々の絶望や悲しさに直面するより、自分のせいだと怒りに変えた方が幾分かマシだった。
繰り返される毎日の中で、Aの居ない世界は、よくある小説に書いてあるように本当に色褪せて見えた。
俺に気を使っていたのかもしれないけど、周りの友達がAの話をしなくなって、日常を取り戻していくことがとても薄情に思えた。
Aが居なくなったのに、相変わらず俺に笑顔で話しかけてくるふっかのことも、あの時本当は嫌いだった。
結局ふっかの彼女への想いはその程度だったんだって、勝手にイラついて。
俺は学校に行かず自分の部屋で、Aの笑った顔がすきだったとか、Aが驚いた時の可愛い声がすきだったとか、好きなところばかり思い出していた。
一体何度、彼女を追いかけてしまおうかと思ったか。
そんな馬鹿げたことばかりを考えていたある日。
ふっかがいつものように部屋に来て、今日はAの四十九日だとか話していて。
そんなに経ったのかと、季節は秋に変わろうとしていたのに俺は相変わらず布団から顔も出さずに、その言葉を頭の片隅でぼんやり反芻した。
懐かしいよな〜って彼女との昔話をしていつものように笑うから、「もう帰って」といつものように静かに呟いたのに、何故かその日のふっかは帰らなくて。
A以外のことはどうでも良かったから、どうしたんだろうと思いながらも無視していたら、ふっかの鼻をすする声が聞こえてきたんだ。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
