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何故？とか、
どうして？とか、
思うことはたくさんあって。
ああ、でも、
もうそんなことどうでもいい。
だってこれは、彼女しか描けない。
彼女だけが持つ色。世界。
どんな作品も勝てない。
俺が世界で一番大切にしていた絵。
それがもう、どんな言葉で説明されるよりも全てを物語っていた。
＿＿＿＿ポタ、ポタッ。
彼女の絵が霞んで見える。
彼女の絵に落ちた雫が、じんわりと広がる。
それが、自分の涙のせいだと気付くのに、バカみたいに時間がかかった。
阿部「っ、、Aっ、」
彼女の作品を抱きしめながら、俺は嗚咽混じりに彼女の名前を呟く。
あり得ないって頭の中で冷静な自分が囁く。
でも、それでも俺は。
この奇跡を、信じたい＿＿＿。
「……阿部先生、？」
その声の主を、俺はもう間違えることは無い。
何故こんなに、心に引っかかるのか。
何故こんなに、Aと彼女を重ね合わせるのか。
そんなこと、この仮説以外に納得できる答えはない。
「ど、どうしたんですか？そんなところで、っ……その、絵……」
俺の様子を心配して駆け寄ってきた彼女が、俺の手元にある彼女の作品たちに気付いて、ハッと言葉をつまらせる。
ねぇ、それはどうして？
なんでそんな驚いた顔するの？
俺に、絵を見られたら何かダメだった？
彼女の言動全てが、俺の仮説を肯定していく。
「阿部せんせ、！」
彼女が俺を呼んでいる途中で、俺は優しさから近づいてきたそんな彼女の細い腕を掴んで、自分の方に引き寄せた。
俺の腕の中に驚いたのか抵抗もせずにすっぽりと収まる彼女の細い体からは、Aとは違う香りがする。
抱きしめた時の感触も、Aとは違う。
あぁ、でも、このこみ上げてくる懐かしさは、論理的には説明出来ない。
懐かしくて、懐かしくて。
胸が爆発しそうに熱い。
この気持ちの理由は一つしかないと心が叫んでいた。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
