No.19 ページ21
城崎side
雨が降る音が聞こえる。
時計の針は一桁の数字を指していて
それでもまだ眠れずにいた。
真っ暗な部屋の中、
すやすやと眠る双子の兄妹。
頬はマシュマロのように柔らかそうで
僕のお気に入り。
数時間前まではその頬に涙が伝っていた。
仕事中､病院から電話がかかってきていて
すぐ下の弟･奏多からは
「お母さん､急変」とだけ来てて
頭がフリーズした。
奏多が僕の担当に付いて長い
マネージャーに連絡してくれたみたいで
マネに連れられて病院に直行した。
すでに奏多と双子の兄妹は到着してて
双子ちゃん達はボロボロと泣いていた。
落ち着かせながら病院の廊下で待っていると
なんとか危機は脱出したみたいで。
でも意識は戻らないままICUに入れられた。
色んな説明や手続きを終えて
病院から帰ってきて
バタバタと夕食の準備して食べさせて
お風呂沸かして寝かせたのが
数時間前。
でもそこから眠れずにいた。
口に管が通ったお母さんの寝顔。
まるで死んじゃったみたいに
安らかな顔をしていて、
でもシュポシュポと呼吸を助ける機械が
動いてる音がしてるから
大丈夫って心の中で言い聞かせていた。
もう少しでお母さんを亡くすところだった。
その事実に体が震えた。
もう大切な人を失いたくない
お父さん亡くしてからそう思う
気持ちが強くなって。
その感情は心の鎧のように
僕の心を覆うようになった。
だからなかなかメンバーに
自分の事､
抱えてること､
弱いところ､
涙､
見せることが出来なかった。
怖かった。
大切な存在になりつつメンバーを
失いたくない。
深い関係になるのが怖い。
失った時に味わう心がえぐられるような
痛みに耐えられないから。
メンバーが
なんとなく距離が縮まらないことに
気にしてるのは知っていた。
でもそれは完全に
勇気が出せない僕のせいで。
このままじゃダメなことも自覚してる。
グループとして
一生モノの仲間として
信頼しないといけないと分かってる。
でも､どーしたらいいのか
分からない。
夜に問いかけても
月や星からの返事は返ってこないで、
ただ雨の音が静寂にベールを纏わせていた。
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れお(プロフ) - mizuiro様、ご指摘ありがとうございます。 (2022年10月4日 21時) (
レス) id: bff8188722 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - No.6のとこ、舘様の名前がないです...! (>_<) (2022年10月4日 19時) (レス) id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - さとさん！ありがたいコメントありがとうございます( ¨̮ )❁今後も頑張ります！ (2021年11月10日 23時) (レス) id: bff8188722 (このIDを非表示/違反報告)
さと - この話をよんで感動しました。続き待ってます。 (2021年11月10日 21時) (レス) @page6 id: 8ca27b57ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Leo | 作成日時：2021年11月6日 19時
