聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが61人 ページ12

胡蝶side






ふと最近気になった。

Aさんの色恋沙汰は実りそうで
Aさんは全く持って興味が無さそう、というか
そう言う浮かれた話を耳にしない。









｢Aさんは好きな人、居るんですか？｣


『しのぶ、お団子ある』


｢あら、貰います｣









Aは私にお団子を差し出しながら
考える素振りをする。

いきなりこんな事を聞かれても
早く考えが思いつくわけもないし
手元の団子を食して少しだけ返答を待ってみる。









『誰だろう』


｢…なんか意外です｣


『…』


｢てっきりみんな、なんてありがちな事を
言うと思っていたのですが。｣


『好きな人がみんななのは変わりないけど』








特別に好き、の部類はよく分からない。
そう言いたげな顔でうーむと悩むAさん。

Aさんが一人の人と恋仲になってしまえば
私が世話を焼ける事も減ってしまう、と考えれば
"いない"、そんな感じを感じ取れる返答に
ほっとする。









｢やっぱり分からないですかね｣


『うん、よく分からないけど
みんな好きだよ。』


｢Aさんらしい。｣








やっぱりAさんはみんなが好きと
少しだけ笑った。

そんなAさんが可愛らしいというか
予想していた言葉が出てきて
こちらも笑ってしまう。









｢まだ、分からなくてもいいですけど、意中の
相手が出来たら私に1番に教えて欲しいです。｣


『わかった…？』


｢分からなくてもいいんですよ｣

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