Snow at Hearts . .【３】

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阿部 side


みんなが心配する気持ちもわかるけど‥



阿「ふっか。ちょっと顔見せてよ？」


その心が戦う恐怖を、わかってあげられるのは俺だけだと思うから。



深「‥ん、？」


阿「なんか‥移しちゃったみたいで、ごめんね？」


深「んーん」


まずは当たり障りのないところから、会話を広げていく。



阿「俺さ、ちゃんとふっかの声聞こえてたよ」



吸引をされてる間は息が出来なくて‥


ただでさえ肺炎になって苦しい上での吸引だから、それはもう意味がわからない程に苦しかったけど。



阿「励ましてくれる声って、意外と冷静に聞こえてるでしょ？」


深「‥うん」


阿「だから今度は俺がふっかのこと、励ましてあげるね」


深「‥‥、」


阿「あ！もちろん、それでも苦しいのに変わりはないのはわかってるよ」


だから泣いちゃってもいいし、俺のこと引っ叩いてくれてもいいよ、なんて笑うと


深「だめ、だよ‥」


小さく笑い返してくれたから、少しずつ甘え始めてくれたかな。



あの時、何度もふっかが握ってくれたようにしっかり手を繋ぐと、少しビックリしてる。



深「‥手ぇ、？」


阿「あ、もしかして嫌だった？」


深「んーん」


と、またひとつ小さく浮かんだ笑顔に確信する。



ふっかが横で吸引されてる時、誰もその手を握らないことがずっと気になってて‥


それに加えて今日の不貞腐れた顔を見ると、もしかしてって思ったんだよね。



阿「どう？頑張れそう？」


深「‥ん」



なんて返事にはみんなが目を丸くして驚いて



翔「なに、どんな魔法使ったの？」


阿「魔法なんか使ってないけど、俺にはわかっちゃった。笑」


そう笑うと、


翔「ふーん。あ、そう」


あれ、今度は翔太が拗ねちゃった？笑



でもまぁいいや。



阿「先生、お願いします」


と、その気持ちが変わらないうちに、しっかり手を繋いだ。

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