スノードロップ【Ren,Sho】

10.隠した秘密 ページ10

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その姿に、思わず瞳を奪われる。


聞き慣れた関西弁。
だけど、そこにいたのは紫耀ではなく
彼＿＿＿＿＿永瀬廉だった。




神「俺も今来たとこよ。」


廉「あれ？そうなん？」


神「うん。そんでさ
偶然知り合いに会った。」




そう言われて
ゆっくりと私たちに視線を移す彼。




廉「あれ？キミ、この間の………。」


神「何、おまえも知り合い？」


偶然が重なり過ぎて
頭が追いついていかない。


心臓が、バクバク言ってる。
まさか、こんな形でまた彼に会うなんて。




貴「あの………この間は
荷物拾ってくれてありがとうございます。」


なんとかそう口にすると
彼は、可笑しそうにハハッと笑った。




廉「ええよ、そんなん。
てゆーか、俺がぶつかったせいやし。」


神「ナニナニ？どゆこと？」


廉「この間、空き時間にコンビニ行った時
この子にぶつかってもうて。
バックの中身ぶちまけてもうてん。」


神「何それ、ひでー。」


廉「やから！ちゃんと拾ったって！」


彼らのやりとりを見て
舞美先輩も、ぽかんとしてる。


そりゃ、そうだよね。
こんな偶然、滅多に無い。




神「紹介するわ。俺の知り合いはコッチ。
志澤舞美サン。俺の学校の2個先輩なの。」


あ………そうなんだ。
それで………。




廉「へえ？ジンの学校の2個上ってことは
もしかして岸君と同級生？」


その言葉に、舞美先輩がビクッと反応した。




神「そ。同じクラスだったんだよな。
岸君、芸能コースじゃなくて
普通科に通ってたから。
それで俺も仲良くなったの。
でも久しぶりだよなー。
最近全然会ってなかったし。
元気だった？」


舞「………ジン君も、最近は大活躍じゃん。」


神「まあなー。最近は忙しいよな。」


そう言って、隣を見る。




廉「まあ、ね。
でも1番忙しいのは、ぶっちゃけ紫耀やんな。」


紫耀の名前が出てきて、思わず反応する。




神「てゆーかさぁ、あいつズルくね？
いつの間にか彼女作ってさぁ。」


廉「ああ、言うてたな。
ジン、相手知ってんの？」


神「知ってる。紫耀から直接聞いたから。」


その言葉に、身体が硬直した。


嫌だ、聞きたくない。
今、あの女優の名前を出されたら
私はきっと、ここで泣いてしまう。


私は、紫耀の彼女のはずなのに
どうしてこんな気持ちに
ならなきゃいけないんだろう。




舞「ちょっと。いいの？
私たちが聞いてんのに。」


神「いいよ、別に。
舞美ちゃんは、そういうの喋んないだろ？」



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