Dear my sister. (ページ12)

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宮舘side

阿部に続いて俺の番が回ってきた。
阿部とのやり取りが楽しかったのか佐久間の腕の中にいるAちゃんは撮影が始まった時よりも少しテンションが上がっている。
佐久間が胡座をかいた自分の上に体育座りをしているAちゃんの両膝の下に手を組んで回し、そのまま持ち上げてやるときゃーと言いながら笑っていた。

佐久間はきっとお家でもこうやってふたりで遊んでいるのだろう。

宮「本当に仲いいね、ふたり。」

阿部に代わり佐久間達の前に座った俺は努めて優しく声をかけた。

宮「Aちゃん、お兄ちゃん好き？」

Aちゃんは一度俺を見て、そのまま恥ずかしそうに佐久間に抱きついた。

佐「A～、お兄ちゃん好きって聞かれたよ。」

『んーー、』

佐「お兄ちゃん好きって言ってくれないの？さびしいじゃーん」

少し唸りながら佐久間の胸に額をぐりぐりと擦りつけるAちゃん。
阿部の顔は覚えていたけれど、俺は阿部ほどしっかりと覚えられてないと思うから多分びっくりさせてしまったのだろう。

宮「ごめんね、驚かせちゃったかな？」

佐「恥ずかしくなっちゃったかな？」

宮「そっか、宮舘涼太です。Aちゃんと仲良くなりたいな」

佐「A、舘様はAと仲良くなりたいんだって。よろしくってしよ」

佐久間の服を握って離さないAちゃん。

宮「やっぱ怖いのかな？」

佐「かな？A～、どうしたの？恥ずかしいの？」

宮「どうしたら怖くないよって伝わるかな」

佐「慣れだとは思うんだよね、ちょっと知らない人に囲まれて緊張しちゃっただけだとは思うんだけど」

宮「Aちゃん、怖くないよ」

佐「A、舘様はね宮舘王国の王様なんだよ。一緒に呼んでみよ」

そう言うと佐久間は俺にもAちゃんの顔が見えるように胡座をかいた自分の右腿にAちゃんを抱え直す。
すると、自分の拳をマイクに見立て話し始める。

佐「じゃあ俺に続いて呼んでください。いくよ？だってさま！」

自己紹介ラップの要領だ。
続いてコール＆レスポンスに合わせて佐久間はAちゃんにも拳を向ける。
俺もそれに合わせてテンポを取りながらAちゃんに笑顔を向ける。

『、、ま』

佐「おっいいね～！だってさま！」

『、、て、ま』

佐「もう1回最後に、だってさま！」

『だてさま！』

佐「いぇーい！上手じゃんA」

最後はしっかりとコールをしてくれたAちゃんの頭を佐久間はこれでもかと撫でる。