らくだい魔女短編集 〜リクエスト企画を実行します〜

続き　・フウカside・ ページ15

フウカバージョン


　「っバカっ…」


　そんな声と一緒に懐かしい香りがあたしを襲う。

　大好きな腕にそっと抱かれ、あたしの涙腺は崩壊した。


　「お前から拒絶した癖に…！何言ってんだよ…」


　小さく言う彼にあたしは嗚咽を上げながら、声を絞り出した。


　「分からないの？分からなかったのっ？あれは拒絶なんかじゃないっ！」


　あれは立派な―――









　愛情表現だ。









　でもそれを言うには勇気がいりすぎて、あたしには言えない。


　けど、そんな事言わなくても分かってほしかった。


　あたしは貴方の事、嫌いじゃなかった。


　もっとずっと近くであたしを見て、感じて、触れてほしい。


　それだけだった。


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　彼は肩に顔を埋めて言った。

　「そんな事言われたら…っ突き放せなくなるんだって…っ！」



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　突き放さなくていいよ。




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　突き放さないで。



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　嫌味も、妬みも、嫉妬も、苦しみも、辛さも。



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　全部受け止めてあげる。



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　だから、



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　あたしを離さないで。




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　絶対に掴んで。



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　壊れるくらいに強く



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　あたしは


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　貴方を感じたい。



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　皆が歓迎しなくても、誰を敵に回しても。

　あたしは貴方以外、歓迎しません。

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