02ｰ1 ゴッドストライカーを拾いました【吉良ヒロト】 ページ3
塾からの帰り道。
いつもはお母さんに迎えに来てもらってるんだけど、今日みたいな雨の日に限って連絡が繋がらない。
多分お風呂に入ってるんだと思う。
…ああ、なんて日だろう。
私は雨音が落ち着いた頃を見計らって、
夜の暗い道を、カチカチと今にも壊れて消えそうな弱い街灯を頼りに仕方なく帰路に着く。
と、一際暗い路地の中だった。
「…ん？」
ひとつの光が見えた。
それが気になった私は、その光を辿って道を進む。
するとそれは、スマートフォンの光だった。
誰？こんな暗いところで。
「…はい、お手」
「なめてんのかお前」
その持ち主は寒そうにわなわなと肩を震わせていたから私なりに声をかけたら、今にも噛み付いてきそうな野良犬のように、すごい形相で私を睨んできた。
こんな雨の中、傘も差さずにここにいたのかな。
「ねえ君、おうちどこ？私が送ってあげようか？」
「.......普通それ男が言う台詞だろ.......」
どこの誰かは知らないけれど、
はあ、とわざとらしく大きなため息をついては、その人は立ち上がった。
意外にも高いその身長にドキリとした。
髪の毛から滴る雨水が、私をじっと見入るその薄い紅に濡れた瞳が、より一層その人のかっこよさを際立たせる。
「おいお前」
「はっ、はい.......！」
「送ってやる」
とまた一言、かっこいいことを言うから心臓がうるさくて止まない。
「いいよ私は、近いし。ところで君、ここで何してたの？家出？遊び？あ、それとも帰り道わかんなくなって適当にふらついてたら不良にカツアゲされて一文無しになっていよいよ家に帰りづらくなってめそめそしてた感じ？」
「ちげーよ」
「え？まじか可哀想」
「話聞け」
変な奴。
彼はそう言うと、ははっと目を細めて笑う。
そして、歩き出したかと思えば、家はどこだよと、後ろを振り返ってきた。
大まかな場所を説明して、私達は暗がりを歩く。
「大体、俺みたいな奴のことを世間は不良だと称してんだぜ。それに.......」
親指を立てて自分を差すその人は、自身をゴッドストライカーだと言う。
ゴッドストライカー？
あれ、その名前、どこかで聞いたことあるような.......あ、
「もしかして、吉良ヒロト！？」
髪の毛濡れてたし、暗くてよく見えなかったから分からなかったけど...
確かこの人、永世学園のサッカー部の得点王だ。
有名人だ。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
