02ｰ2 ページ4
不良にカツアゲされただとか、どこかの誰かが変なことを抜かした気がするけどもう忘れたし、忘れてほしい。
「お、俺のこと知ってるのか！」
「うん！私サッカー大好きで、ヒロトさんのことももちろん知ってた！」
「そうか、また試合、見に来いよ」
さっきまでの形相とは打って変わって、上機嫌スマイルを浮かべる彼は、家路に進む足を徐に止めて、ポケットに手を入れる。
ガサゴソといった音に混じって、チャリンチャリンボーンボーンと独特な音が聞こえるから一体この人のポケットどうなってんのと耳を疑う。
「ほらよ」
と思ってたら、雨に濡れたのだろう、今にも破けてしまいそうな1枚のびしょ濡れになった紙を差し出された。
「ん、何？」
「チケット」
「何の」
「試合の」
「誰の」
「俺以外にいるかよ」
原型は留まってるから多分まだ使えると思う。
そう一言付け加えて、未だ状況が読めずぽかんとした私の手のひらに、その紙切れをぽんと乗せた。
「お前来てくれたら、俺頑張れそうな気がする、何となく」
「.......お前じゃないよ」
「そういえば、名前...聞いてなかったな。俺様の名前知っておいてお前の名前を知らないのもフェアじゃねえからな」
「A」
「Aか、分かった。.......A！お前絶対俺の試合観に来いよ！惚れるから！」
名前教えたばかりなのに、この人はやっぱりお前って言った。
怖い見た目だけど、優しいし、その優しさが不器用で思わず笑ってしまう。
そして、どれだけ自信家なんだろう。
でも、嬉しい。
私が来ると頑張れそうだなんて。
これは観戦に行くしかない。
有名な選手様直々のお願いだもの。
「ヒロトさん。送ってくれてありがとう。私この家だから」
「おう」
結局私がヒロトさんを送るはずが、逆に送られてしまった。
隣を歩いてたヒロトさんをふと見上げると、「男はこうでないと」と満足そうな表情を浮かべていた。
02ｰ3→←02ｰ1 ゴッドストライカーを拾いました【吉良ヒロト】
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
