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「ほら前に教室で2人で話した時は、お互い一方的だったし・・・
 おしゃべりしよう!言いたいこと全部!
 きっと、話したいこといっぱいあると思って
 あ、僕がココア好きだから用意されてて気にしないで飲んでね!」

キリリと入間がプルソンにココアを手渡す。

「用意・・・されてた?」

「うん、おじいちゃんにこの部屋貸してって言っただけなんだけど・・・
 多分、オペラさんが間食と夜食と飲み物用意してくれてるんだと思う」

「収穫祭のAさんの部屋そのまま?」

「僕とプルソンくんの寝袋と、食事を取り出せば当時のままだよ?」

「まじで?部屋というか家でしょ?生活できるレベルだよね??
 え、収穫祭行きたくないってなるよね??」

「だよね!ご飯も他の生徒が用意してたらしいし、普通引きこもるよね!!」

テンション高いプルソンに、入間がテンション高く答える。

「・・・怒って、ないの?
 突然退学とか・・・みんなに何も言わず消えたりとかして・・・」

「・・・びっくりはしたよ
 でも、みんな怒るっていうより、心配の方が勝っちゃってたから
 話が聞きたいって・・・僕も・・・プルソンくんともっと話したいなって思った
  オペラさんの料理美味しいから、食べながら話そう?
 姉さんの部屋で美味しい料理を食べながら、話すって最高でしょ?
 プルソンくんはいつから・・・トランペット始めたの?」

「いや、全力で緊張する!!本人の居ない私室なんて悪い事してる気分で・・・最高」

入間の嬉しそうな笑顔に、プルソンもつられ、咳払いをする。

「昔・・・母様がくれたんだ
 喋りたいことは、これにぶつけなさいって
 優しくて・・・僕は母様が好きだよ
 勿論、父様も好き
 頑固で融通きかないけど、家のことを大事にしてて・・・僕に期待もしてくれて
 実際、僕には隠密としての才があるし
 僕は・・・プルソン家に生まれてよかったと思ってる
 家業を継ぐのも、むしろ誇らしい・・・
 でも、音楽祭に出ることになって・・・
 キミたちとの練習は・・・すごく、楽しくて
 トランペット・・・褒めてもらえるなんて、そんなの初めてで・・・そしたら・・・
 家に・・・帰ってこいって言われて・・・どうしたらいいか・・・分かんない」

「うん」

プルソンの目から涙が溢れ、入間はタオルを差し出す。

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E(プロフ) - skyさん» ありがとうございます!修正致しました (2月26日 13時) (レス) id: 1ae39ecc80 (このIDを非表示/違反報告)
sky - アロケルとアガレス逆になってますよー。このシリーズ面白いし更新速度すごくて尊敬してます。適度に頑張ってください! (2月26日 9時) (レス) @page45 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:E | 作成日時:2024年2月17日 20時

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