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「Aちゃん急に呼び出してごめんね」
『うん、珍しいね・・・特訓休み??』
「お風呂行ってもらってる」
『そっか』
「あのね、学ランって動きやすいかな!?」
『ガクラン??』
「ほら、人間界の学生が着てる服!」
『応援団とか激しい動きしてるし、機能性はあるのかな?』
「僕の初弟子にね作ってあげたいんだけど、素材とかデザインとかアドバイスして欲しいんだ!!
サンプルの生地がね!・・・って、どうしたの?」
『いや、随分と楽しそうだなって・・・いい方向に変わったね』
「そ、そうかな?」
見慣れないAの笑顔にバラムは少し動揺する。
「僕よりも、Aちゃんの方が変わったよね
表情が豊かになったというか、物腰が優しくなったというか・・・」
『改めて、どう対処すべきか考えて・・・私の為に戦ってくれる悪魔が必要だって理解しただけ
流石に簡単に弱みは見つからないけど・・・気長に続けてれば何かしら出てくると思う
あとは実力差をカバーできるような補助具のような魔具を集めたり・・・この辺が妥当だと思う』
Aは話を切り上げ、手早くアドバイスをする。
バーンとドアが開くのと同時に、バラムが手早くサンプル資料を隠す。
「は、早かったね」
ポタポタと雫を滴らせたアスモデウスとサブノック。
「バラム教諭がタイプなのですか!?」
「オイッ!」
『等しく嫌いだと何度言えば理解できるのアズ?』
「Aはいつもそう言うが・・・距離感は平等ではないでしょう?
貴女の傍が許される悪魔が等しく妬ましいのですッ!
入間様に優しい姿に胸が痛むのです!私は・・・」
「マズイAちゃん、コレ食べさせて!暴走しかけてる」
『悪魔じゃなければ、好きになれたと思う』
Aが囁いた言葉に唖然としたアスモデウスの口にコロンと飴が入る。
「と、ちょっと追い込みすぎたのかも・・・」
バラムが倒れるアスモデウスを支える。
『質問終わったし、帰るね』
「う、うん」
「相変わらず勉強熱心だな」
あっさりと帰るAをバラムとサブノックが見送る。
「Aちゃんなら大丈夫、アスモデウス君の方が心配かな」
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作者名:E | 作成日時:2024年2月8日 18時