欲深いのは悪魔か人間か７ (ページ16)

今日:53 hit、昨日:81 hit、合計:13,903 hit

・ページ16

レイヂは手袋をしているが、他の悪魔はそうではない。
従者によって確保された通路の壁沿いをAに歩かせ、接触する事がなく安堵する。

「案内なぞした事がないからな、不足の事態に備え常駐させている・・・２人が良ければ払うぞ」

『結構です』

「・・・魔獣は平気だな？」

『はい、不快でも耐えれない事はないので気になさら・・・』

「不快なら楽しくないだろ？何故我慢する？？」

Aの言葉にレイヂは本気で理解できないと首を傾げる。
アムリリスからの指導で、思考が偏っていた事に初めて気づく。

『・・・そうですね、少々らしくない事を・・・歩けるので離れても？』

「エスコートしないのは体裁が悪い・・・受入れろ
　代わりに水が怖くないと・・・教えてやろう」

笑みを浮かべるレイヂ。

「こちらのバウくんに乗って下まですべれますよ」

スタッフに促されるままに２人で乗ることになり、舌打ちをする。

「同じ三傑の孫だし、それくらい気楽で良い」

露骨に不機嫌になったAの耳元でレイヂが囁き、水球を展開する。
高速で滑り台を下るバウくんに驚くより、水面へ衝突の衝撃や、水没を回避するレイヂの技術に驚く

「何を驚いている？楽しかっただろう？」

アスモデウス同様にファンが多い様で、髪を掻き揚げただけで声援があがる。

『水に馴染みがなかったので・・・ありがとうございます』

「レビアロンは水の中にあるからな・・・先ほどから面白い事ばかり言うのだな」

『バビルスは陸地なので、違いはありそうですね』

「・・・じゃじゃ馬と聞いていたのだが、少し興冷めだな」

不意にレイヂが溜息を吐く。

『ええ、お互い時間がもったいないですし解散しましょう』

流されるようにペースを合わせていたAが、嬉しそうに言う。