欲深いのは悪魔か人間か７ (ページ15)

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「Aだな？」

『・・・お早いのですね』

サリバンの口調から、早々に帰宅できると思っていたのに・・・
従者と思わしき悪魔を従えた男が既に待って居た。

「私から申し込んだのだから当然だ・・・荷物を持とう」

『ありがとうございます』

当然のようにAの荷物を従者に渡すと、Aをエスコートするように腰に手を回す。
舞踏(ﾀﾞﾝｽ)と同じだと言い聞かせ、鍛えられた笑みで応じる。

「ふむ、貴族会での噂は本当のようだな・・・殴られる程度は覚悟していたのだが・・・」

『・・・殴ってよろしいのですか？』

「応戦しても良いなら、かかってきなさい」

舌打ちをするAに、レイヂも笑みで返す。

「「「司令官！？」」」

『司令官とお呼びした方が？』

「呼びたいなら止めんが・・・レイかレイヂと呼ぶがいい」

『レイヂで・・・愛称はまだ早いと思いますよ？』

「ほぅ？・・・この私に、珍しいタイプだな・・・」

驚いたように思案するレイヂ。
従者の女性に連れられロッカーへと移動する。

「・・・A！？な、なぜっ・・・イル、マは何も・・・」

ロッカーに着くなり叫ばれ、Aが数回瞬きをする。

『外で待機してもらえます？ええ、すぐ戻るので』

「かしこまりました」

レイヂの従者を早々に追い出す。

『祖父の知り合いと顔合わせなんで、入間とは関係ないです』

「そ・・・そそうか！？(何故に今日なのだ！！)」

『では・・・』

百面相をするアメリを無視して、水着に着替え上着を羽織って出ようとするAを掴むアメリ。

「水着なのに、上着は無粋ではないのか！？」

『服越しなら我慢しますが、素肌に触れられると殺意が湧くんです』

Aの言葉にアメリが慌てて手を離す。

『上着越しなので、怒ってないです』

「紹介とは誰とだ？先程の案内役・・・男か！？」

『脳内お花畑ですね』

Aの冷めた視線にアメリがシュンとなる。