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「せっかくの買い物なんですよ?もっと散財させたいと思わなかったんですか??」
『私の予定に買い物はなかった』
「予定空けとけと予告していたでしょう??」
『無理って返事したでしょ?』
「だったらせめて・・・サリバン様に連絡くらいしても良いでしょ」
ドサドサと豪快に馬車に積み込みながらオペラが言う。
『入間が家に居るし、定期的に
「お前の住居を明け渡し、本人不在とはどういうつもりです?」
『アムちゃんに連れまわされて貴族会ですが?非力なんだから仕方ないでしょ』
不機嫌なオペラにAが溜息を吐く。
「13冠に随分と気に入られたようですが・・・”噂”が我々の耳に入らないとでも?
それに、相談なり打診なりすべきでした!サリバン様ならばいくらでも引きあげれたんですよ!」
『貴族のたしなみ・・・つまり義務なんでしょう?
それとも・・・嫉妬してるの?』
「・・・・・・ったら、どうだって言うのです?」
ガタンと馬車が揺れ、オペラの声が消える。
『キレイさっぱり忘れるって思ったら、逆に滑稽でしょう?
愛し焦がれた感情も綺麗に消えるのか・・・声や姿のわからない誰かを想い続けるのか・・・』
「悪趣味な思考ですね」
『”嫌い”な感情は消えるのか、主人を奪われたと嫉妬した日々も消えるのか・・・そう、思うと少しだけ気が晴れる』
「最低ですね」
『最高の間違いでしょ?だって・・・私に費やした数年が空白で無意味になる・・・ざまぁみろって最大限できる報復じゃん』
「こちらの気持ちを考慮した事は?」
『遊園地でスタッフに扮した六指衆を忘れたように・・・何も違和感なく元に戻れるよ』
「A・・・お前が大嫌いです」
『私も
普段見せない純粋な笑顔で言うAに不意をつかれ、オペラは顔を逸らす。
「サリバン様達をお待たせしたくないので、とっとと用事に行きやがれ」
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作者名:E | 作成日時:2024年2月8日 18時