欲深いのは悪魔か人間か４ (ページ14)

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―ランニング―

「これ・・・」

「生徒会たるもの羽だけに頼らず地力を鍛えよ」

「いや・・・うしろの」

檻の中でガチガチと歯を鳴らす魔獣に怯える入間。
Aの視線が険しくなる。

「吸血噛鉄だ、本気で走らねば鍛錬にならんだろ？」

「追いつかれたらパクッといかれるよー」

ガシャンという音をたて檻が開く。

「死にたくなければ死ぬ気で走れ！」

「「「イエッサ！」」」

「A、それでは入間の鍛錬にならん」

『指図は受けん』

「姉さん！！」

吸血噛鉄を足蹴に入間から遠ざけるA。
生徒会メンバー全員が溜息を吐く。

―教師との打ち合わせ―

「正気か？」

「私が鍛え直してみせます！」

カルエゴがアメリに問い、得意気に頷くアメリ。

『いや、見学であって入団してないです』

足にすがりつくスージーとダリを迷惑そうに引き剥がすA。

―登校者チェック―

―花壇の手入れ―

―見廻り―

「入間にはまだ早いなッ！
　まず高潔な立ち方を覚えろ！
　生徒会は生徒の見本！！
　無様な姿勢で見廻りなど許さんぞ！！」

頭に本を乗せ、両手に水の入ったバケツを持ち、転ぶと剣山に刺さる状態の入間。

「姉さーんッ！」

『平地なだけ、優しいんじゃない？』

過保護に邪魔されると警戒していたザガンが、意外そうに瞬きをする。

「え！？でも、この姿勢けっこう・・・」

『大丈夫、その状態で攻撃避けろとか・・・変な条件追加されないでしょう？』

笑顔で物騒な事を言うA。
入間が想像し、震え、ザガンも青ざめる。