欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ47)

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「やっと起きましたか放蕩娘？」

『モガッ・・・！？』

不機嫌なオペラの声が響き、無理矢理に水の入ったペットボトルを押し込まれる。
寝起きの相手にする事じゃないと抗議したくても、容赦なく飲まされ抵抗を断念する。

『ゴホッ・・・溺死させられるかと・・・痛っ・・』

全て飲み切り睨みながら抗議する、自分の声で頭痛がする。

「授業中に飲酒だなんて・・・さすがに停学になるでしょうね？」

『は？』

見覚えのある潰れた赤い花がビンに入っており、意味がわからないと首を傾げる。

「まだ惚けるつもりですか？お前の咲かせた花の蜜が無味無臭の酒だった理由を聞かせてもらいましょうか？
　私が気転をきかせ、サリバン様が早々に回収なされたから誰にも気づかれてませんが・・・」

ズイッと殺気の入り混じった表情が迫り、Aは無意識に後退する。

『いや、酒だなんて・・・ただ、実ってる花はクッキーみたいなお菓子で、落下した花は完熟だから・・・え？』

「サリバン様の足を引っ張る目的ではないのですね？」

『酒なん・・・使い魔が美味い酒飲みたいと騒ぐから刷り込みかな？デルキラが悪い！』

「魔王様を呼び捨てとは・・・未遂でしたし、いいでしょう・・」

『え？つまり、私は酔いつぶれて理事長室のベットで寝てたと？？』

身を引き、オペラが呆れたように溜息を吐く。

「お前の花が問題児達、見学に来ていた上級生、教師全てを保護し、怪我人は出なかったから不問にしてやる」

『私御令孫だよ？』

「Aお嬢様夜遊びやお戯れは程々になさって下さい・・・後始末がくそめんどくせぇー」

Aの言葉に姿勢を正し、恭しく言い、ギロリと最後には睨みつけるオペラ。

『後半！後半本音出てるッ！！おじいちゃんに言いつけて叱ってもら・・・』

「ほう？言いつける気力がなくなるよう、せっかくです、もう一度試されますか？」

Aの頬を掴んで上向かせ、瓶から椿の花を無造作に取り出すオペラ。
ドロリとした甘美な味が口に広がり、悪魔の笑みを浮かべるオペラの背後では尻尾が楽しそうに揺れる。